介護の時間を3割削減!とうとうガス乾燥機を導入した話

ちょうど1年前の2023年1月。わたしはガス会社に連絡して、ガス乾燥機の見積りを取りました。しかし購入したのは、ガス乾燥機ではなく格安の衣類乾燥袋のほうでした。

まずお値段が高いのと、母が常時リハパンを履くようになったので、洗濯物が減ると思ったからです。ところが……。

ガス乾燥機が欲しくなった9つの理由

1,980円の衣類乾燥袋は、大活躍しました。

冬の盛岡で外干しはできませんし、室内干しも家が古くて寒いので、洗濯物は全く乾きません。なので1日中、衣類乾燥袋で乾かす日々が続きました。ただなかなか乾かないので、1回2時間×2回~3回も稼働させていました。

冬が終わり、春が来て、梅雨時期は再び衣類乾燥袋が活躍しました。しかし衣類乾燥袋での一時しのぎでは、どうにもならなくなったのです。その理由を9つ挙げると、

  1. リハパンは洗濯不要だが、失禁回数が増え、他の衣類の洗濯が増えた
  2. 洗濯物が乾いたかを、1日に何度も確認しなければならなかった
  3. デイサービスが週4回になり、ヘルパーさんが洗濯できる日は週2日に
  4. ヘルパーさんが洗濯しても、乾かないので洗濯物はたまる一方
  5. 衣類を増やして洗濯物が乾かなくても大丈夫な環境にしたが、根本的な解決ではない
  6. 洗濯物に時間を取られると、ヘルパーさんは他のことができない
  7. 結局、たまった洗濯物は家族がコインランドリーの乾燥機で乾かしていた
  8. 雪の日は、湿った重い洗濯物を持って歩いてコインランドリーへ行くのがつらい
  9. コインランドリーで、洗濯物を20分乾燥している間の時間がもったいない

ひとり暮らしだから洗濯物なんて少量かと思いきや、失禁があるとタオルケットや毛布、シーツ、ズボン、タオル、下着など、大物を含む、ひとり暮らしとは思えない洗濯物の量に突然なります。それが数日続くと、家の中が洗濯物だらけに。

イライラしながら1年やってきましたが、思わぬところで大きな節約ができたのです。家の前の砂利道の整備を親族にお願いしたおかげで、想定の3分の1の費用で済みました。大雨が降ると砂利道に池ができ、車庫に浸水するレベルで、緊急性を要するものでした。

そこで浮いたお金を、ガス乾燥機の購入に回したのです。

リンナイ ガス衣類乾燥機『乾太くん』

乾燥機ではなく、20年以上使っている全自動洗濯機を、ドラム式の乾燥機一体型の洗濯機に買い替えることも検討しました。しかし脱衣所が極端に狭くなってしまうため、早々に断念。乾燥時間は短いほうがいいので、ガス乾燥機になりました。

わたしが1年前に見積りを取ったのは、リンナイの『乾太くん』でスタンダードタイプの5kg(RDT-54S-SV)。洗濯物の量、失禁で汚れたシーツやタオルケットも頻繁に洗濯すると、ガス会社の方に伝えたところ、こちらになりました。

設置場所は認知症の母が乾燥機に触れる心配がなく、且つ洗濯機に近い和室を選び、本体とは別に専用台も見積りを取りました。洗濯機の上に、設置スペースがなかったのもあります。

くどひろ

ご無沙汰しております。介護の洗濯地獄に耐えられなくなって、ガス乾燥機を買おうかと。1年前の見積りは、まだ使えるでしょうか?

ガス会社に電話をすると、物価上昇の影響があって1年前の見積より2万~3万円高くなると言われました。1年前に購入していれば……。

購入したリンナイの乾太くん(RDT-54S-SV)

設置工事自体は、約3時間ほどで終了しました。

介護の視点で考えるガス乾燥機のメリット

ガス乾燥機購入後は、ほぼ毎日稼働しています。ここまで利用頻度が高くなると思っていなかったのですが、次のようなメリットがありました。

  • 洗濯物が乾いているか確認不要なので、仕事の中断がなくなった
  • コインランドリーまでの移動時間、待ち時間がなくなった
  • コインランドリーの乾燥機から女性物の母の下着を取り出す瞬間、ちょっと周りが気になっていたが、それがなくなった
  • 洗濯物をハンガーに干す時間がカットされ、パンパンとやって乾燥機に放り込めばOK
  • ヘルパーさんが他のことに時間を割けるようになった

体感では、介護の洗濯時間やストレスが、3割くらいカットされた感覚です。あまりにインパクトが大きくて、毎日「乾太くん、最高!」とつぶやいています。デイサービスの回数が増え、洗濯物まで増えると思っていませんでした。入浴回数が増えるので、そりゃそうなりますよね。

もう1つ、ガス乾燥機は母を介護施設に1か月預けたときの費用と同じと考えました。なので在宅で1か月頑張れば、元は取れます。

介護の現状を考えると、いつ介護施設に入ってもおかしくないので、今さら買うべきなのかと悩みましたが、仮に使わなくなったら、岩手の妹がひきとります。3年前に買っておくべきでしたが、使い倒したいと思っています。

わたしの最新刊『親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること』の中に、洗濯機や乾燥機と介護の関係のページがあります。この記事と合わせて読むと、なるほど!と思って頂けると思います。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか