認知症の母が鉄壁だったベビーガードを破った理由

わが家では認知症の母が次のようなことをするので、やむを得ずベビーガードをamazonで購入して対策しました。

  1. 冷蔵庫内のものを片っ端から出して常温に戻し、食材を腐らせる
  2. 冷蔵庫の中にある脱臭剤を誤食する
  3. 洗濯機でリハビリパンツを洗い、吸水ポリマーまみれにする
  4. 台所の流しの下にある鍋を並べまくる(包丁も出す可能性があり危険)

12年以上の認知症介護で、最初は制限をかけていませんでした。しかし重度まで認知症が進行すると口頭で言っても効果はなく、物理的に制限をかけるしかありません。洗濯機以外は健康や命に関わるので、もうきれいごとなど言っていられません。

この中に鍋や包丁が入っているので、ベビーガードで扉を固定

優秀だったベビーガード

冷蔵庫へのこだわりは、母が料理が得意だったこともあって、今でも自分が料理を作っていると思っているし、息子に料理を作っていると思っています。認知症なのでやむを得ないのですが、実際はできないから食材や鍋を並べまくってしまうのです。

食材を常温に戻すのは、夏場は腐敗や食中毒の心配があるので特に要注意です。母は気にせず、食べますし。冷蔵庫に入っているものは、全部台所のテーブルの上に並べます。

脱臭剤の誤食は本当に焦りましたし、絶対に食材を入れることのないペンを入れる引き出しの中から食材が見つかることもあります。とんでもないニオイになるので、そういう意味でも対策が必要です。

洗濯機の操作は忘れてしまったのでガードをつけなくてもいいのですが、尿を吸収したリハパンを恥ずかしさから洗濯機の中に入れてしまうと、夏場は特にニオイがきついのでそのまま使っています。

洗濯機のベビーガード

2年半使ってきたベビーガードは鉄壁で、母が1日に何十回も冷蔵庫を開けようとしてもびくともしない優れものでした。しかし最近になって母が突破するようになったのです、なぜ突破できたのでしょう?

2代目ベビーガードを購入した!

最初に突破された場所は、台所でした。妹が見つけてくれたので、包丁は他の場所に隠したのですが、どうやら両面テープの耐久性ではなくて、ガードの軸(下の写真の右側)をクルクルとネジのように回すと外れてしまうのです。

母は無意識のうちに外すことに成功し、冷蔵庫の野菜室も外してしまいました。そうなると毎日食材や鍋が台所に並び、大変です。そこでamazonで2代目のベビーガードを購入しました。6個入り、1499円。

2代目ベビーガードです

こちらはクルクルと回せない構造なので、今のところ突破できていません。正直、母が突破するとは思っていませんでした。

ちなみにこの発信を最初にしたときは、認知症の母に制限をかけているみたいでイヤだったのですが、発信してみると購入される方がかなり多いですね。やはりお困りのご家族、日本中にいるようです。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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