ショーンK氏にみる認知症介護の世界

認知症ショーン

藤沢数希さんのツイートですが、この二度目の部分がわたしには「認知症における介護家族の病院・施設選び」にしか見えなかったのです。

「人を経歴で判断して、言葉の中身なんか評価できない無能だと」

頭の中で、こう変換されました。

「病院や医者をネームバリューだけで判断して、診察の中身なんか評価できない」

「施設を規模や見た目のきれいさだけで判断して、ケアの中身なんか評価できない」

自著の中にも似たような話を書きました。ひとつひとつの判断にたくさんの時間をかけられないから、人は経歴で評価をざっくりと決めようとします。週刊誌の見出しやYahooの記事タイトルだけで判断する・・・現代人は忙しいのでそうなりがちです。

ハロー効果

ウィキペディアを引用するとこうなります。

ある人が難関大学卒であったり、スポーツに優れていたり、字が上手だったりする場合、その人が学力や体力や字の上手さにおいてだけでなく、人格的にも優れていると思い込んでしまうケースが挙げられる

これはわたしもそういう心理状態になったりするので、人間の本質としてしょうがないのかなと。ただ認知症の世界においては、このハロー効果は限りなく捨て去ったほうがいいとわたしは思っています。

キーワードは「時間」

病院選び、医者選び、施設選び、選んだ瞬間は一瞬でも、どれも長くお付き合いしていくのが認知症介護の特徴です。「時間」を味方につけることで、

「あれ、有名な大病院なのに、なんか違うな」
「テレビにたくさん出ている先生なのに、対応がひどいな」

こんなことにもなります。一瞬の判断も、ハロー効果も、「時間」をかけることで、冷静な判断ができます。わたしの祖母が居た療養型病院もすごくきれいでしたが、今でもあの判断でよかったのか?と思う事があります。

「時間」を味方につけたあと、唯一気をつけないといけないのが「習慣化」です。

「もうあの先生と3年もお付き合いしているから」
「あの施設しか、この辺にはないから」

習慣化してしまうと、考えることを止めてしまいます。「あれ?」と思っているときに動かないと、「習慣化」という恐ろしい結末が待っています。いいことは習慣化すべきですが、ダメでも継続してしまうということがよくあります。

ショーンさんはウソはついたけど、まともなこと言ってたという意見も増えてきましたね。

「あの施設ぼろいけど、対応はすごくよかった」

例えると、こんな感じでしょうか?

ところで、なぜアイキャッチの画像が「ひつじ」か分かりましたか?

ひつじのショーン

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか