子宮頸がん(認知症)+大腿骨骨折+廃用症候群と次々余計なものがプラスされていく悩みのはなし

認知症の母(69歳)のことをブログで書く機会が多いのですが、実は遠距離介護をしていて日々悩みが深いのが祖母(89歳)です。

母が命に関わっているかと言えば、そんなことはないです。一方の祖母は子宮頸がんで余命半年と言われたくらいなので、優先すべきは祖母です。但し、今から医療的に何かできるわけではないので、QOLをいかに高めるかというのを常に考えています。

療養型病院での生活がのべ6か月

子宮頸がんだと分かったのが昨年の11月で、8か月が経過しています。がんはステージⅢaということで、わたしは最初は末期がんだと思っていたのですが、調べてみると末期というほどでもないと。でも画像に写っていたのは、膣壁の3分の1を覆い尽くす腫瘍。これでも末期じゃないんだと驚いたものです。

急性期病院で放射線治療を受けるも、外科手術をするわけでもない。体力的には抗がん剤も無理ということで、あとは運任せという状態です。さらに祖母は認知症で、レベルはやや高度。

急性期病院のように手厚い看護ならばよかったのですが、療養型病院へ転院しまもなくベットから転落、大腿骨を骨折しました。認知症ということも原因なんですが、その後急性期病院へ転院し大腿骨の外科手術を行い、再び療養型病院へ復帰。

骨折の影響からか、次第にベットにいる時間が増えていき、以前はお見舞いの時はベットで起き上がることができたのに、今では起き上がる事も厳しい状態になりました。いわゆる廃用症候群というやつです。

いろいろと言いたい事はあるけど、いま自分ができる事は何か?と考える

正直、大腿骨骨折した時は、『病院は何やってるんだ!』って思いました。でもいろいろ調べていくと、こういう事故が病院では最も多い事、療養型病院は廃止が決まっていて、手厚い看護ができる制度にはなっていないこと、もし自宅で看護していても、同じような事は起きていただろう・・・などなど考えると、これも運命なんだろうか・・・そんな風に割り切る事ができるようになりました。

仕事でもそうですが、『人を変えるのは難しい、でも自分を変えるのは簡単』 です。と考えると、自分でできる事は祖母のQOLを高める努力を、家族としてする事なんだろうなぁ~という結論に至りました。

今の療養型病院から、施設への移動は、おそらく支払いが倍くらい違います。それでも病院で誰とも話さず、ひたすら病院の天井を見上げて生活するよりも、他の人と話しながら生活したほうが、きっとがんにもいいんだろうとわたしは思っています。

祖母の成年後見人であるため、本当は月々の収支が赤字になることは避けたいし、裁判所からもそう言われています。でも、今預かっているお金は祖母のものだし、祖母のために貯金を切り崩すのは全く問題ないので、赤字でも少しだけ背伸びして施設探しをすることにしました。

ただひとつ問題が・・・・

施設探しをし始めると、必ず熱発するんですね・・・なんででしょう?あの病院に居たいのかな?って思うくらい、必ず熱がでます。環境が変わってしまって、容体が急変するんじゃないか?とか、いろいろと考えてしまいますが、さらに寝たきりが深刻になって、会話もままならないなんて事になる方が自分が後悔するんで、この道が正しいと自分に言い聞かせて進むことにします。

病院を自宅とずっと勘違いしていた祖母が、今日初めて口にした言葉が、『家に帰りたい』 でした。びっくりして言葉がでなかったのですが、認知症の母が面倒を見るのは無理なので、せめて病院より楽しいと思われるところへ・・・


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか