この記事のもくじ
認知症ライフパートナー資格取得の目的
認知症ライフパートナーという民間資格に、トライしてみました。一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会の公式サイトより「認知症ライフパートナー」について、引用します。
引用元:http://www.jadecc.jp/license/
純粋に認知症をより深く勉強してみようという好奇心と、認知症の母に、勉強したことを試してみよう!という気持ちだけの受験です。老いる自分の暗記力と戦ってみたいという、変な動機もあります。
介護家族が介護系国家資格を取ろうとすると、「実務経験」が引っかかります。介護施設などでの勤務経験が必要ですが、わたしは経験がないので受験資格がそもそもありません。
また、介護職を目指していません。キャリアアップや給料アップ、就職や転職に有利になるとか、考えてません。資格を更新する必要がなく、誰でも受けられる資格ということで、認知症ライフパートナーを選んでみました。10代から80代までの一般の方、学生、医療・福祉専門職など幅広い層が受験しています。
3級(旧基礎)と2級(旧応用)の同日併願受験に挑みました。どちらも2時間ずつの試験で、計4時間。なかなかハードでしたが、2級と3級の違いや資格の詳細について、解説します。
認知症ライフパートナー3級・2級・1級 試験概要
試験内容 | 【2級・3級】マークシート方式(全41問) 【1級】マークシート方式、記述式試験 |
受験制限時間 | 【2級・3級】2時間 【1級】4時間 |
受験資格 | 【2級・3級】なし(学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。) 【1級】2級合格者のみ |
退出可能時間 | 試験開始後60分~試験終了10分前まで |
受験料 | 3級:6,500円 2級:10,500円 1級:15,000円 |
公式テキスト・問題集 | ■公式テキスト 3級:3,080円(税込) 2級:4,950円(税込) 1級:6,160円(税込) ■問題集 3級:2,420円(税込) 2級:2,860円(税込) 1級:1,600円(税込) |
試験日 | 【2級・3級】年2回:7月、12月 【1級】年1回:12月 |
受験会場 | 【2級・3級】札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福岡・熊本 【1級】札幌・東京・名古屋・大阪・福岡 |
合格基準 | 100点満点で70点以上で合格 |
注意事項 | 携帯電話のマナーモードの振動音だけでも失格になります。 |
資格更新の有無 | 更新はありません。 |
主催 | 一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 |
2023年夏期 検定試験情報(2級・3級)
【検定試験日】2023年7月16日(日)
【申込受付期間】~2023年6月12日(月)
2023年度冬期 検定試験情報(1級・2級・3級)
【検定試験日】2023年12月10日(日)
【申込受付期間】~2023年11月6日(月)
認知症ライフパートナー3級・2級の難易度
わたしが保有している認知症の資格は「認知症介助士」だけですが、体感的な難易度はこんな感じです。認知症介助士は、認知症の基礎知識があればそんなに勉強しなくても合格しますが、認知症ライフパートナーは、きっちり勉強しないと合格しません。3級と2級では、難易度に大きな差があると感じました。
認知症ライフパートナー2級>>>>>>>>>>認知症ライフパートナー3級>>>>>>>>>>>>>>>認知症介助士
認知症ライフパートナー3級の過去受験者数、合格率、平均点
データをざっくり見ると、合格率7割という感じです。たまに合格率が6割ということもあり、要注意です。
受験者数 | 合格率 | 平均点 | |
---|---|---|---|
第5回 | 1,034人 | 82.0% | 79.0点 |
第6回 | 1,221人 | 74.4% | 76.6点 |
第7回 | 1,027人 | 65.1% | 73.6点 |
第8回 | 1,057人 | 60.4% | 74.4点 |
第9回 | 999人 | 79.9% | 78.9点 |
第10回 | 1,075人 | 68.7% | 74.5点 |
第11回 | 944人 | 70.6% | 75.0点 |
第12回 | 884人 | 70.7% | 75.7点 |
第13回(2015夏) | 719人 | 79.8% | 80.1点 |
第14回(2015冬) | 774人 | 61.9% | 72.1点 |
第15回(2016夏) | 356人 | 78.5% | 78.7点 |
第16回(2016冬) | 609人 | 54.5% | 69.1点 |
第17回(2017夏) | 493人 | 82.6% | 80.3点 |
第18回(2017冬) | 375人 | 62.1% | 72.6点 |
第19回(2018夏) | 405人 | 61.5% | 72.9点 |
第20回(2018冬) | 448人 | 61.2% | 71.5点 |
第21回(2019夏) | 302人 | 67.9% | 74.3点 |
第22回(2019冬) | 312人 | 47.8% | 66.4点 |
第23回(2020夏) | 66人 | 83.3% | 79.4点 |
第24回(2020冬) | 249人 | 52.4% | 68.2点 |
第26回(2021冬) | 268人 | 71.3% | 74.8点 |
第27回(2022夏) | 165人 | 82.4% | 79.6点 |
認知症ライフパートナー2級の過去受験者数、合格率、平均点
データをざっくり見ると、合格率4割という感じです。やはり3級ほど簡単ではないようです。
受験者数 | 合格率 | 平均点 | |
---|---|---|---|
第3回 | 699人 | 54.2% | 70.1点 |
第4回 | 917人 | 18.4% | 58.1点 |
第5回 | 718人 | 44.7% | 66.8点 |
第6回 | 773人 | 42.6% | 66.0点 |
第7回 | 589人 | 41.1% | 65.9点 |
第8回 | 730人 | 58.1% | 71.5点 |
第9回 | 583人 | 42.2% | 66.0点 |
第10回 | 577人 | 37.1% | 65.0点 |
第11回(2015夏) | 471人 | 69.9% | 75.4点 |
第12回(2015冬) | 522人 | 60.2% | 71.9点 |
第13回(2016夏) | 545人 | 68.3% | 74.0点 |
第14回(2016冬) | 854人 | 51.5% | 68.9点 |
第15回(2017夏) | 706人 | 48.7% | 68.8点 |
第16回(2017冬) | 689人 | 37.9% | 65.0点 |
第17回(2018夏) | 670人 | 48.1% | 67.7点 |
第18回(2018冬) | 781人 | 67.6% | 74.1点 |
第19回(2019夏) | 424人 | 53.1% | 68.5点 |
第20回(2019冬) | 521人 | 43.0% | 66.5点 |
第21回(2020夏) | 128人 | 75.0% | 74.3点 |
第22回(2020冬) | 221人 | 40.6% | 65.5点 |
第24回(2021冬) | 392人 | 54.9% | 68.8点 |
第25回(2022夏) | 234人 | 67.1% | 73.7点 |
認知症ライフパートナー合格のための2つのコツ
1つは公式テキストだけでなく、「問題集」も買うことです。
問題集の最初には、問題形式や公式テキストの章別出題数、どのあたりから出題されやすいかという傾向と対策が、詳しく書いてあります。最後には模擬問題(3級)や試験直前の○×チェック問題(2級)もついていて、本当に便利です。時間がない人は、絶対買うべきです。
認知症の基礎知識はあると思っていたので、3級問題集はテキストを読んでなくても割と正解できました。ところが2級は、本気で勉強しないと全く正解しません。 過去問は出題されないと思われるかもしれませんが、近い出題はありますし、問題の形式をつかむこともできるので、問題集はかなり役立ちます。
もうひとつは、2級・3級を一気に受けてしまうことです。試験時間4時間は体力的に大変ですが、3級と2級で試験範囲が被っているところもあります。半年待って2級を受けるより、トータルで見ると効率的です。半年の間に、3級の内容を忘れてしまうと思いますし。
公式テキストのページ数ですが、3級が226ページ、2級はなんと400ページもあり、かなり分厚いです。2級は特に、どこから出題されるか、公式テキストでは見当もつきません。問題集をこなすと、出題ポイントが見えます。
認知症ライフパートナーの勉強をして感じたこと
音楽や運動、園芸や調理、化粧やアロマなどのアクティビティ・ケアと呼ばれるものが、認知症の人にどう効果があるかを理解できるようになります。施設等で実施することを想定しているので、計画・実施・評価の知識も身に付きますが、介護家族のわたしはそこまで厳密にやらないので、なかなか暗記できませんでした。
2級になると、住環境についても勉強します。母の認知症が進行したとき、どうリフォームしたらいいかを理解できるようになりました。
成年後見制度も出題範囲で、わたしは後見人経験者なので有利なのですが、それでも社協がやっている日常生活自立支援事業という割と近い制度の存在を知りませんでしたし、まだまだ知らないことは多いなぁと思いました。認知症介護の幅が、広がる資格だと思いました。
「試験勉強」で完全に燃え尽きる
まさか、自著の出版が試験日の約2週間前になるとは思っておらず、直前の勉強時間は書店回りで消えました。かなり追い込まれてしまったわたしは、試験3日前に過去問題集も買いました。
試験当日も、3級試験は試験を1時間で終わらせて退室、残った1時間を2級の勉強時間にしました。試験開始1分前まで、テキストを読みました。勉強が足りない2級は正直厳しいけど、最後まで悪あがきだけはしようと。
3月に試験を申し込んだのですが、こんなことは予想せず、書店回り、試験勉強、出版記念講演会の準備で完全に燃え尽きました・・・しれっと過ごすはずが、かなり追い込まれました。
認知症ライフパートナー2級・3級の試験結果
2級・3級ともに、合格することができました!2級は勉強量からいってだめかと思いましたが、問題集を解いているうちになんとなく感触がつかめました。
認知症ライフパートナー検定の公式テキスト、問題集の購入について
認知症ライフパートナーの公式テキスト、問題集については、運営元である一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会の公式サイトで購入、Amazonで購入、一般書店で購入という3つの方法があります。
公式サイトで購入するメリットはすぐ手に入れられることですが、送料無料キャンペーン中でないときは、送料が別途必要になります。Amazonは送料無料ですし、割とテキストが重いのでまとめ買いするときは便利です。
特に2級にチャレンジする人は、わたしのように直前で猛勉強するのではなく、余裕をもって早めの準備をすることをオススメします。
一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会の公式サイト
試験申し込み、解答速報や最新情報、受験日程については、運営元である一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会のサイトをチェックしてください。
今日もしれっと、しれっと。
【2024年講演会予定】
11/4(月祝)岩手県紫波町 → 講演の詳細はこちら
認知症ライフパートナー資格、初耳です!
初めまして、要支援2の祖母を、実家の両親に介護してもらっているアラサーちゃんです。
くどひろサンのブログに辿り着けて嬉しいです。
とてもタメになります、ありがとうございます涙
母親の入院をキッカケに、祖母の介護について考えていますが、遠距離で別居というポジション等から両親に対する立場が弱い!
なので、介護、認知症、等々について学んで、資格を取って、遠距離で別居だから。。。と言わせない説得力と安心感をと思っています。笑
凄んでないです、しれっとやりますよ、しれっと。
くどひろサンの御本も早速注文しました!読みますね!!しれっと、いや、ちゃんと!
アラサーちゃんさま
コメントありがとうございます!!
本も注文して頂いて、こちらもありがとうございます!わたしも遠距離で別居ですが、かなりの頻度で帰省していて、母も一緒に住んでいると勘違いするレベルです。しれっと読んで頂いても、大丈夫ですよ。
45歳で初任者研修を取り実務研修を終え遅咲きで頑張っています。以前ライフパートナーの資格を見てまず介助士を受け(受講中)ライフに挑戦しようと思っています。歳が行きすぎかなとも思いますが、くどひろさんの本も見てみようと思っています
白坂さま
コメントありがとうございます。
おそらく45歳でも平均ちょい上くらいかもしれません。70代の方も受験されていますし、全く歳が行きすぎなんてことはないですよ。本もよろしかったら、チェックしてみてください!
ありがとうございます!
父のこと、解らない、と、紀伊国屋廻って〜工藤さん、の本は、スルーしたのかしら?ありがとうございましたあ
みほさま
わたしの本はスルーしないでください~(笑) ありがとうございます!