【東洋経済】認知症特集で得られた 「4つの金言」

週刊東洋経済の特集は「認知症を生きる」

3月3日(月)発売の週刊東洋経済の中から、

「これはわたしにとって、認知症の金言だ!」

と思えたもの4つをご紹介します。

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介護福祉士の和田行男さんの金言

「認知症の人が施設の外に出ると、脱走したと言いたくなるが、本人からすると施設に拉致されていた、となる。(一部略)相手を理解できないと鍵を閉めるという発想になるが、それは間違っている」

意味ない徘徊もちゃんと理由があって、無理に連れ戻さないそうです。人間の尊厳を守る、その人らしさを大切にするというのは、今話題の 認知症ケア「ユマニチュード」 にも共通しています。

「認知症の人の、人間としての尊厳を守る」 

というのは、認知症介護の根幹なのかもしれませんね。

ペコロスの母に会いに行く作者 岡野雄一さんの金言

「親孝行の人ほど、24時間ずっと親に付き添って、介護疲れで共倒れになってしまう。そうなるくらいなら、施設に入ることを選んでもいいと思うんです。いい距離を取ってほしい。恋愛と同じで、24時間ずっと相手を抱きしめている必要はない」

本当に同感です。わたしも ”ひとりでがんばらない” “頼れるものは頼る” をモットーにしています。いけるところまで遠距離介護で、自宅介護を続けますが、最終的にはどうするか、すでに母にヒアリング済です。

「あんたたち(わたしと妹)に、迷惑はかけたくない」

と言ってて、それをエンディングノートの介護方針のページに、そのまま書いてもらいました。わたしたちの事が分からなくなったら、施設に入ってもいいと言ってくれました。

おくむらクリニック院長 奥村歩さん の金言

「認知症の人は意味もないことを何度も聞かない。(一部略)家族がやるべきことは安心感を与える絆づくりだ。(一部略)それだけで、記憶には残らないが安心して、しつこいことを言わなくなる」

これが難しいです・・・紙に書いたら安心するかなと思って、紙に書くんですが、その紙を見てまた何度も質問されちゃいます(笑)きっとわたしが安心感を与えきれてないんですよね、これって。

東洋経済 編集部の金言

「”認知症患者” という言葉はなるたけ避けました。医療・介護の現場で、認知症を病気ではなく、病んでいるところを含めて「人」として接しようという考えがあることに共鳴した・・・」

わたしがお世話になっているコウノメソッド実践医の先生も、同じ事を言ってたのを思い出しました。

「認知症は、風邪となんら変わりないんですよ」

先生はこう続けました。

「風邪をひいた人に対して、何か特別な目で見たりしませんよね?認知症だって同じ病気なのに、認知症だけ違った見方をするのはおかしい。」

わたしもこの考えに賛同して、できるだけ「認知症患者」という表現をブログでは使わないように心がけます!


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか