認知症の母の次の誤食は石鹸だった

認知症の母の誤食は食器用洗剤、冷蔵庫の脱臭剤、未遂に終わったものとして使い捨てカイロ、部屋の消臭剤があり、ブログや音声配信でご紹介してきました。

母がこたつの上に物を持ってきたら、食べ物に変わってしまいます。ここに挙げたものの中で最も緊張したのは、部屋の消臭剤です。

わが家で使っている無香空間のビーズは、水で膨らむ性質があります。喉に詰まらせたら大変で、それを知っていたので本当に怖かったです。今は母の手の届かないところに置いたり、撤去したりしました。応急処置はビーズが膨らみにくい、牛乳やスポーツドリンクを飲んでもらうといいです。

認知症の母が石鹸を誤食した写真

岩手に居る妹から、1枚の写真が送られてきました。石鹸の皿にスプーンがあって、おそらくですが口にしたと思います。見守りカメラの映像では確認できませんでしたが、下の写真からは少量食べて止めたように推測できます。

スプーンで石鹸を食べたっぽい形跡が

石鹸は前から母が食べる気配があったので、みかんネットに入れて台所に吊るしてみたのですが、キレイ好きの母がネットを気にして外し、うまくいきませんでした。

それで何か月か前の遠距離介護のときに、台所に置いて様子を見たら食べる気配がなかったので、大丈夫と思ってそのままにしてきたら、とうとうやってしまったという感じです。

実は石鹸の誤食はそれほど毒性はなく、そこもチェック済みでした。少量食べた場合の、日本石鹸洗剤工業会の誤食の文章を引用します。

◎すぐにコップ1~2杯の牛乳または水、あるいは生卵を飲ませ,誤飲したものを薄めたり,食道や胃粘膜を保護する。
×無理に吐かせてはいけない。吐物や泡が気管にはいると肺炎をおこす可能性がある。自然に嘔吐が生じた場合は,吐物を吸入しないように注意する。
◎嘔吐や下痢症状が激しかったり,様子がおかしい場合は医師に相談する。

引用元:https://jsda.org/w/3goingoyou/index20.html#:~:text=%E2%97%8E%E6%AF%92%E6%80%A7%E4%B8%8A%E3%81%BB%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C,%E5%A0%B4%E5%90%88%EF%BC%8C%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%81%AB%E7%9B%B8%E8%AB%87%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82

無香空間の緊張感ほどではないにせよ、今後は石鹸は台所に置かないようにします。デイサービスから帰宅したときに、手を洗って欲しい気持ちはありますが。

泡タイプの石鹸は開けて誤飲する可能性がありますし、わたしが帰省したときだけ使ってもらうしか方法はなさそうです。

誤食の危険のあるものはすべて、物置きに鍵をかけて保管してあります。食べられるけど食べて欲しくない調味料系は、冷蔵庫の野菜室にロックをかけて対策してあります。どんどん物が家からなくなっていきますが、安全確保のためにはやむを得ません。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか