認知症の母が食器用スポンジで台所を泡まみれにするので対策した

1月18日発売のわたしの新刊『親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること』のレビューが、久しぶりにダ・ヴィンチWebに掲載されました!『がんばりすぎずにしれっと認知症介護』で取り上げられて以来です。

前回の記事では認知症の母がタオルを使い回すのを防ぐために、ダイソーでカラビナとひも付きハンドタオルを購入。衛生面の問題を解決した話でした。
今回はもっと面倒になったある問題を、同様に解決しようとしている話です。

母の食器用スポンジの変わった使い方

母はタオルの使い回しに加え、なぜか食器用スポンジを使い回すようになりました。食器用スポンジを見ても、用途が分からなくなってしまったようです。

台所の拭き掃除が好きな母は、目に入ったタオルならハンドタオルでも食器拭きでもぞうきんでも何でも使って拭いてしまいます。その選択肢の中に、食器用スポンジまで追加されてしまいました。

スポンジには食器用洗剤が残っているため、母が拭いたエリアがどんどん泡まみれになっていくのです。台所だけならまだしも、台所にあるダイニングテーブル、料理を運ぶお盆までも泡まみれに。

さらにガスレンジなど、台所周りをどんどん拭いていくので、わたしが泡の拭き取りに追われるになってしまいました。

母は料理や洗濯ができなくなり、「残している」数少ない家事のひとつが食器洗いです。本当はスポンジを隠してしまえば、問題は解決します。

しかし母の頭の中では今でも料理・洗濯・掃除、すべて自分がやっていると思っているし、ヘルパーさんは必要ないと思っています。頭の中のイメージを現実でも再現できて、わたしのリカバリーの負荷がそこそこ小さいのが食器洗いなのです。だからあえて残してます。

洗剤をつけないで洗う、油汚れが残っている、片づける場所が違う、汚い台拭きで食器を拭くなど、はっきりいって問題だらけですが、食器を洗っている時間は母は立ってます。そのこと自体が、いいリハビリになると思っているので皿洗いはやってもらってました。

わたしが料理する前にすべて洗い直して使う毎日ですが、これに泡の拭き取りが新しく加わったのです。いくらリハビリとはいえ、厳しいかも。さて、どうしましょう?

ダイソーの売場で介護に役立つグッズを見つけるコツ

母をデイサービスに送り出した後、再びダイソーへ行ってみました。

わたしのダイソー巡回術は、台所の困り事だからといって台所用品売り場に限定して回らない、これです。だいたい答えは見つかりませんし、杖などを売っている介護用品売り場にもありません。

だって、「認知症の人が食器用スポンジで台を拭いてしまったときの対策グッズ」なんて、誰も商品開発しませんよね? なので園芸や手芸、カー用品など、全く無関係の売場も回って、お宝を探します。今回見つけたのは、どの売場だっただろう? 購入したのはこちらです。

スプリングキーホルダー

食器用スポンジを固定する

このスプリングキーホルダーに食器用スポンジをつけてみました。その写真がこちら。

食器用スポンジにつけてみた

前回の記事同様の方法です。ただこちらは食器を洗うので、スポンジをカラビナで固定する方法では、皿が洗えません。伸び縮みしたほうが使いやすいのと、水で濡れてもいいような仕様を探していたら、スプリングキーホルダーになりました。

これで解決したと思ったのですが、食器用スポンジのフックが簡単に外れてしまいます。わたしが一緒に居たときはよかったのですが、見守りカメラで見る限りでは泡まみれに戻りました。今第二弾を検討中で、考え方はこのままでもう一工夫加えるつもりです。

またまた母の行動を制限する話になってしまいました。介護の教科書やアカデミックには決して語れない、書けない解決法を考えて挑んでます。うちと同じ悩みを抱えているご家族の方で、何かいい方法がありましたら教えてください。

音声配信voicyの最新回は、認知症の母への予定の伝え方に変化があった話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

もし可能なら、食器用スポンジのフックを二重リングに付け替えるのはいかがでしょう?
自分、以前に何かの時に そのようにして、「簡単に外れてしま」うリスク、実際に減った記憶があります。
お役に立てると嬉しいです。

あーみんさま

なるほど、その手がありますね!
うちと同じ認知症の症状がご家族等にあって、同じように対応したということでしょうか?

くどひろさま
ご返信有難うございます。
母が(認知症ではありませんでしたが)大切な持ち物をよく無くしてしまう傾向がありまして、バッグの取手にスプリングキーホルダーを付けて対応していました。その時に応用した次第です。

あーみんさま

ダイソーでカードリング(単語帳のやつ)があったので、それをスポンジに取り付けて使い始めました。今のところ順調です、ヒント助かりました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか