「介護の愚痴」 がなぜか言葉にならない4つの理由

介護の愚痴

介護をしていて愚痴る・・・

誰もが経験するものですが、わたしはそんなに愚痴るほうではありません。人間が出来ているから?いいえ違います、おそらく他の方と同じくらい 「チッ」 って思っているはずです。でも、言葉にはならないのはなぜか?

ある意味ありがたい「男性脳」

男性脳は「自己完結」のタイプだそう。遠くでヒソヒソと話している姿をみても、人は人、自分は自分と切り離して考えることができるのです。ですので、勝手にネガティブストーリーを考えることもなく、程良い距離感のままでいられるのです。引用元:http://news.livedoor.com/article/detail/10017845/

これメンタリストDaigoさんの言葉ですが、ホント合ってます。女性はというと、「わたしのこと、ウワサしてるんじゃない?」とネガティブに考えるんだそう。またストレスがたまると黙るのが男性、しゃべるのが女性なんだそうです。

介護で愚痴らないのはきっと、頭が男性脳だから・・・そう思っています。黙って孤独になるよくないパターンが男性介護者には多いのですが、ブログをやっている以上孤独にはなり得ません。

余裕のない環境

介護1年目は、祖母が入退院を繰り返し、余命半年と言われ、母が認知症と確定したり、考える暇もなく目の前のことを1つ1つこなす毎日でした。

全く余裕がないし、正直愚痴る暇もない・・・意外と余裕がないという状況は、いいことなのかもしれません。祖母が亡くなった時も、やらなきゃいけないことが多すぎて、悲しむ暇もなかったのと似ています。忙しくて、愚痴る暇もなかったです。

余裕のある環境

「え、逆の答え?」

わたしのようなフリーランスは、時間に余裕があります。母がもの盗られ妄想を言い始めても、余裕をもって対処できるし、夜中に失禁しても、朝から対処できます。もし会社員で時間に余裕がなかったら、愚痴がすごかったかもしれません。

時間の余裕、心の余裕が愚痴を減らしていることは、間違いありません。

状況を理解している人でないと愚痴れない

母は小学生のころ、シミーズを着て泳いでいたそうです。

この話を話し始めたとき、訪看さん、ヘルパーさんの顔を見て、わたしがニヤリとします。そうすると、皆さん「表情は変えないけど、心の中でニヤリ」 とします。

「出た~、おはこ中のおはこ!!」

長い人で3年、この話を聞き続けています。

そういうしょうもない日常は山ほどあって、この話を酒の肴にして飲める人はだれ?と考えると、わたしは長年お世話になっているヘルパーさん、ケアマネさん、サ責ぐらいです。そういう分かってくれる人の前だと、つい愚痴ってしまいます。

「昨日も実は、デイ行きたくないってごねてたんですよ」

わたしの愚痴は、介護職の皆さまへ向かってました。離職率を上げてしまうようなことしてました・・・すみません。でも、信頼してない人には言いません。あと愚痴といっても、いつまでもぐじぐじと言いませんし、そもそも介護サービス中に話す時間もないし。

この中で最も大切なのは、心や時間の余裕だと思います。これが叶う環境づくりが、すべての人をハッピーにするのかもしれません。(間違えてホッピーと打ってしまったww)

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか