認知症介護で愚痴る・泣き言を言いたくなる・・・わたしの心の中を実況中継!

認知症の母(69歳)と一緒に生活をしていると、頭に来たり、感情が抑えられなくなることがあります。

それでも自分は、いろんな本を読んだり、ヘルパーさんやコウノメソッドとの出会いがあって、決してその感情を認知症の母にはぶつけません。(やわらかくぶつけることはあります)でも、自分の中で消化しきれないので、どこかに出したいんですが、40歳で介護している友達はいない・・・・

ということでこのブログに書き殴ったりもするんですが、ブログに書くときはそれをお役立ち情報へ変換するので、やわらかいタッチになっています。でも、たまには直接的に誰かに話したい・・・・でもいない・・・ってことで、変換なしで今日は書きます!

今日に限って、認知症の症状が炸裂!

認知症のうちの母は、まだ軽度です。なので第三者が10分会話しても認知症と気づく人はいません。30分~1時間話すと、あれ?ってなります。それぐらいの時間だと、3回は同じ事を聞いてしまいます。それくらいの認知症のレベルですが、今日は・・・

1.ガスの火を消し忘れて、自動消火装置が作動し、プチ騒ぎ。
2.洗濯物を13時に干して、14時に取り込む。当然乾いてないので、私が別なところに再度干すと、それも取り込む・・・
3.明日は東京へ帰る事になっているが、”今日の何時に帰る?” という質問を2時間で10回
4.2日間にわたって、私(息子)の ”年齢” を確認。全部で15回くらい質問し、回答するも分からない。

ひとつひとつは文章にしてみてもたいした事ないんですが、これが束になって短時間で襲いかかってくると、さすがにイラッっとします。小力風にキレてないですよ!っていいたいんですが、心の中で半ギレです。見る人がみれば、『きれてんな~』って思うかもしれませんが、絶対に怒鳴ったりはしないんです。それだけはしません。

意外にも2.でのやりとりが疲れました。どうみても生乾きなのに、その状態で洗濯物を畳むんですよね。で、

『この洗濯物、まだ乾いてないでしょー?』 って私が言うと、

『これぐらいは平気でしょ、今日は天気がいいから乾いている』 と認知症特有の自己防衛機能の発動です。そして直近の記憶(記銘)を留めるのが弱いのが認知症だから、直前の事は覚えられないのです。昔の事はいっぱい覚えてますが・・・

あまり否定しすぎてはいけないから、自分が折れて 『そうだね~』 といいつつも、当然1時間で乾くわけがないので、他のところに再度干すんですが、それすらも見つけて、また畳むっていう・・・『まだ生乾きだって!!!』 と言うのはよそう!と思い、また洗濯を干すということをしました・・・エンドレス・・・

毎回、自分がキレかける時に思うのが、

『自分って小さいなぁ~、母は好きで認知症になったわけでもないし、認知症は病気。病気の人になんで、そんな対応しかできないんだっ!』

って。認知症介護は、究極の人間修行とわたしは思っているので、

『修行がまだまだ足りないな!ヘルパーさんを見てみろ!どんな時もおだやかだし、キレたりしないぞ!』

と自分を戒めるのですが、でも人間なんですよね・・・しかも修行中の身だから、10回こういう事があったら、1回ぐらいはキレそうになります。それでも残り9回はきっちり対応しています。こういう時にもうひとつ思い浮かべるようにしている事があります・・・

もっと大変な思いをしている認知症介護の方はいっぱいいる!

うちの母はネガティブ妄想が特徴で、近所の人が亡くなったとか、親戚が亡くなったとか、誰かに怒られたとか ホントかウソか分からない事をよく言います。基本スルーなんですが、暴力や暴言というレベルではありません。

わたしは認知症の方がいる病院へ行く事もあるんですが、ホント看護師さんには脱帽です。注射を打とうとする看護師さんを蹴る80代の女性。看護師さんは暴言を吐きながら蹴る女性をうまくかわしながら、最終的には注射を打つんです・・・すごい!

うちの祖母はやや高度の認知症なのですが、便をいじるという症状があります。壁につけたりするんですが、わたしがそれを拭いたことはなく、拭いてくれるのは病院の看護師さんです・・・・尊敬します。

それに比べれば、自分なんて楽勝!と、自分以上に大変な人を思い浮かべる事で、自分はラクなんだ!と言い聞かせたりするんですが・・・それでも人間だから、ダメなときはダメです。

遠距離介護でよかったと思うのは、こういった日々のストレスがピークになったころに東京へ戻って自分の生活をする。それが終わったらまた、遠距離介護へ行くという ”リセット” ができるという点です。だから今日でリセットできるので、よしとしよう・・・・


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか