認知症の母がガスコンロの五徳を片付けてしまうので制限に舵を切った話

今年の長谷川式認知症スケールは、0点。

アルツハイマー型認知症が重度まで進行した母との生活は、年々「見守る」から「制限する」介護へと変わってきました。貼り紙や口頭での注意も、今の母にはほとんど届きません。だから、リスクのある行動には先まわりして制限をかけています。

自立から制限へ舵を切った介護

たとえば1人のとき、包丁は危ないので隠してありますし、食器やカトラリー系も全部食器棚から出して、テーブルに並べてしまうので隠しています。

またシンクの扉の中の鍋やフライパンを全部出して並べてしまい、ヘルパーさんが片付けに追われて、貴重な時間をつぶしてしまうので、ベビーガードでロックをしています。

それもこれも、料理が得意だった頃の記憶のままだからです。母は未だにわたしに「今日は何が食べたいの?」と質問します、わたしが作っているのに。

軽度の認知症の頃は、それでも料理はできました。しかし今は台所に立っても、ガスコンロに食器を乗せて、直火で焦がしたり、近くにある調味料を片っ端から入れたりして、料理と呼べるものは完成しません。
母親として料理をしなければいけない、でもできない。その結果、食器や調理器具を並べることに、落ち着いたのだと思います。好きなように並べてもらっていたのですが、どんどん頻度が増えてきたので、何年もかけて何もない台所に変えました。

そこで母の新たなターゲットになったのが、ガスコンロの五徳(ごとく)でした。

わが家のガスコンロ

なぜか五徳を片付ける母

母はガスコンロの五徳を外して冷蔵庫に片付けたり、台所の引き出しの中に片付けたりして、わたしは見守りカメラの録画映像で母が片付けた場所を特定して、見つける作業に追われるようになりました。

ヘルパーさんがガスコンロを使う機会は今はありませんが、変な場所にあった五徳は元に戻してくださいます。あとバーナーキャップといって、ガスコンロの炎が出る場所にあるふたのようなものまで外して、片付けてしまうのです。

キレイ好きな母だからだと思いますが、最近はあまりに頻度が増えてしまったので、わたしが帰京するときに五徳もバーナーキャップも外して片付けるようになりました。下の写真のような感じで、殺風景ですよね。

この状態にして帰京することに

認知症介護をされているご家族で、わが家と似たようなケースはありますか? ないと思って発信してみると、全国のどこかに「うちも!」というケースがよくあるので、もしあったらコメントやSNSで教えてください。

今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

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