お風呂だけじゃない!高齢者のトイレのヒートショック対策グッズ5選をご紹介します!

トイレ ヒートショック 対策 高齢者

母が数日前、急に下痢になりました。顔色は真っ青、ゆがんだ表情のまま、トイレと居間を往復し、途中耐えられずにズボンとトイレにコースアウト。

その日の夕食は、日本そばとコンビニの辛子明太子おにぎりです。わたしも同じものを食べたのですが、違いといえばわたしのおにぎりの具は鮭。魚卵がいけなかったのか?

トイレ掃除とズボンのお洗濯をしつつ、「急な下痢」の原因をいろいろ調べました。そうすると、「冷え」が原因という記事を見つけました。今回はお風呂ではなく、トイレのヒートショック対策できるグッズを5つほどご紹介します!

ヒートショックと築50年以上のトイレ

築50年以上のわが家のトイレの朝夜は、室温が一桁になります。断熱材が入ってなく、隙間だらけで、厳しい岩手の冬は大変です。

洋式便座には暖房がついてますし、ウォシュレットも温水です。しかし下痢になると、トイレにこもる時間が長くなります。あの極寒のトイレに長居するのは、70代の母には危険です。母がトイレから出てくるたびに寒さと痛みで顔をしかめているのを見て、これはまずいと思いました。

その日の盛岡の最高気温は、-3.1℃。最低気温ではなく、最高気温です。灯油ファンヒーターをトイレ前まで移動し、MAXの温度で焚いて暖めようと努力したのですが、扉が閉まっているトイレの中まで効果があったのかは不明です。

ヒートショックによる事故死は交通事故以上

わたしの2冊目の著書「医者は知らない!認知症介護で倒れないための55の心得(廣済堂出版)」の中で、こんな話を書きました。

2011年の調査によると、ヒートショックによる事故死は1万7000人で、交通事故による死亡者数(4611人)をはるかに上回ってます。

この時は、交通事故以上に「お風呂」によるヒートショックよる死亡が多いから注意してね!という話だったのですが、実は「トイレ」も肌を露出する場所なので、危ないのです。

今回も暖かい居間から、室温一桁のトイレに移動。ヒートショックの温度差の目安は10度以上と言われているので、合致します。

夜中に起きてトイレに行く母ですが、尿失禁する日もよくあります。汚したパジャマや下着を脱いで、極寒のトイレで、下半身裸はさすがにまずいです。今回の下痢騒動で、改めてヒートショック対策の甘さを痛感させられました。

家をリフォームすればいいのでしょうけど、そこまでの投資には踏み切れません。母が歩けなくなったり、トイレ介助が必要になる日も近くやってくるはずなので、そのタイミングでまとめて介護保険も利用して、トイレリフォームは考えています。

でも今はプチ対策でなんとかトイレを暖めたいということで、ヒートショック対策グッズで検討したもの、購入したものすべてをリストアップします。

便座から温風が!TOTOネオレスト AH2W RH2W

便座の横から温風が出て、トイレ全体を暖める機能トイレがありました。

便座だけ取り換えればいけるかなと思っていたのですが、この商品はまるごと交換しないといけないようで断念しました。どんな機能かを、TOTO公式ページから引用します。

トイレ室内を暖房します。設定した時間に作動する「タイマー室暖」や室温が約5℃以下になると自動で作動する「冷え込み防止」機能があります。
引用元:https://jp.toto.com/products/toilet/neorest/feature/06.htm

リフォーム工事のところを見たら、本体含め30万近い(業者により様々)費用がかかるので早々に断念しました。それでも、トイレリフォームをする段階になったら、この機能は必須になると思われます。

セラミックファンヒーター

リフォーム以外での第一選択は、おそらくこのセラミックファンヒーターになると思います。安い、持ち運び可能、電気だけで動く、電源を入れたらすぐ温風が出る、コンパクト、人感センサーで電源ON/OFFができるなどなど、うちの狭いトイレにはピッタリです。

しかし認知症の母の場合、いかにもヒーターっぽい形をしていると、勝手に電源をOFFしてしまいます。電気がもったいないと思っているのと、火事を異様に怖がるからです。

また、うちのトイレは恐ろしく狭いです。手すりをつけなくてもいいほど、便器のそばに壁があるので、母は壁を手すりにしています。小さいといえども場所はとるので、このタイプは諦めました。

ただ、途中でいくつかピックアップしました。床置き、壁掛け、人感センサーつきで調べ、下記の購入を検討しました。

幅や奥行きが約16㎝と小さいこちらも検討したのですが、コンセントの位置とスペースが合わず断念しました。

これも人感センサー付きだったので検討したのですが、うちのトイレの壁にはつけられないだろうと思ったのと、スイッチが分かりやすくOFFにされてしまうだろうと思って、こちらも断念しました。

ヒーター内蔵型天井照明ポカピカⅡ

認知症の母がヒーターに手を触れないようにすればいい!と思って、次に見つけたのが天井からハロゲンヒーターでじんわり暖めるポカピカⅡなる商品でした。

トイレの照明スイッチを入れると、同時にヒーターもON。夏はヒーター機能をOFFにしておけばいいので、これはいい!と思いました。

しかし照明自体熱を持つので、きちんと取り付けないと火災の原因にもなります。うちの木のボロ天井には厳しいかな・・ということで、こちらも断念しました。取付は簡単と書いてありましたが、取付説明みたら難しそうで。

ホットパネル

トイレの床にホットカーペットならぬ、ホットパネルの設置も考えました。ホットカーペットと違って、水や汚れに強いのが特徴です。キッチンでも使われるので、トイレ掃除もしやすいかなと。

しかし、即暖という意味ではどうなんだろう・・・というところで、こちらも断念しました。下記はちょっと大きいかもしれませんが、ホットパネルのイメージです。

パネルヒーター

パネルヒーターの裏面は熱を持たないのと、母が操作できなそうだったのでこれにしました。6,980円でした。

トイレ ヒートショック 対策 高齢者
実家トイレの真横に設置したパネルヒーター

メリットは記事タイトル下の写真のように、超省スペースであることです。また、すぐ熱を発します。デメリットは温度を強にしても、足元をじんわり暖める程度なことです。

この商品は下写真のように机の下に取りつけて、付属のフリースカバーで足元を暖めることもできます。

どうやって使っているかというと、母ひとりの時は人感センサーをONにしています。そうすると、トイレのドアを開けた瞬間に、自動でスイッチONになります。15分人を感知しないと、自動で電源OFFになります。

わたしが居るときは、連続運転モードを利用しています。連続運転は6時間で切れてしまうので、0時頃にONにすれば、深夜に母がトイレに行っても暖かいです。

劇的に暖かくなるわけではないので、用を足す時間が短い場合はほとんど意味がありません。トイレに長居すればするほど、威力は発揮します。母曰く、じんわり暖かいわねと言ってくれたので、とりあえずはよかったです。

ヒートショック予報が便利

ヒートショック予報のサイトがあります。こちらもぜひ、活用してみましょう。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

先週盛岡にいましたが、本当に寒かったですよね!!
というのも弟が亡くなりまして…。
斎場から火葬場へ向かう車内で、葬儀屋さんとお話したのですが、やはり11~2月は忙しいとのこと。大きな理由では肺炎に続き、次がヒートショックだそう。脱衣所、浴室、トイレ等、寒暖が激しい場所ですね。幸い実家は、雪かきや交通便を考えて10数年前に街中のマンションに越してきたので、そこそこ安心です。
記事にあったネオレスト。実は、我が家のトイレを先日リフォームした際に選んだのが、この商品でした。決めての一つが室暖です。遠くない将来、自分達夫婦に必要になりそうなので。今は全然使っていませんが…。
お母さまの体調は戻られましたか?くどひろさんも、ご苦労様でした。

みーしえるさま

弟さん亡くなられたのですね・・・、お悔み申し上げます。

葬儀屋さんは死亡届を見る機会が多いので、死因にも詳しいのかもしれませんね。ネオレストの記事で反応があるとは思っていませんでした、素直に家ごとリフォームしたいところです。母の体調、戻りました!

くどひろさん、こんばんは。

ご無沙汰しておりましたが、新年おめでとうございます。

お母様の体調は良くなられたでしょうか。

お手洗いの暖房ですが「断熱室内塗料」ってのもありますので、調べてみてください。
暖房器具とは違い、ぐんぐん温まるものではありませんが、DIYでご自分で塗る事の出来る断熱ペンキがあります。

将来リフォームを検討するのであれば、ご自分で塗って失敗しても気にせずにチャレンジ出来るかも?

自分もてんてこ舞いさま

はい、体調は復活しました。

こんなものがあるんですね、確かにいずれリフォームするのであればチャレンジしてもいいかもしれません。情報ありがとうございます!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか