認知症の母をゴロゴロさせない!座った状態を保ってくれるニトリの魔法の座椅子

体にフィットするコンパクト座椅子 ニトリ

冬の葛藤、それは認知症の母(74歳・要介護2)の活動量が減って動かなくなってしまうことです。

2015年の冬は、活動量が減り、家事がおっくうになり、食欲が減って、1日中こたつで横になって、立てなくなって、尿失禁を繰り返し、認知症のお薬やサプリを飲まないという、負のループに突入して苦労しました。

今は週2回のデイサービス、訪問リハビリをやっていますし、冬は特にヤバイ!という認識があるので、いつも以上に「ムダに」母を動かすことでなんとかしのいできました。

しかし今年は、過去最高に寒い!ちょっと油断したら、2015年冬の状態に逆戻りしてしまいます。こたつに入ったら出られなくなるのは自分も一緒。さて、どうしましょう・・・。

母の座椅子へのこだわり

母の1日のほとんどは、こたつに入って座椅子に座っています。座椅子の母のこだわりは、背もたれがあまり高くないものを好みます。その座椅子カバーを母自身が作ったのですが、何十年も前のものなのでボロボロになりました。

家に来る看護師さんや理学療法士さん、ヘルパーさんにそのカバーを見られるのがどうしても恥ずかしくなったようで、

あらぁ、カバー作らなきゃね~

そういって3年・・・認知症の母の頭の中では、座椅子カバーは完成していますが、残念ながら作製能力はもうありません。わたしに裁縫の技術があれば・・・もちろんないので、ニトリで合うカバーはないか探したのですが、古すぎる座椅子で形も特殊なため、合うものがありませんでした。

ある日実家に帰ったら、とうとう座椅子自体を母が片付けてしまいました。そのまま数か月様子を見ていたのですが、やたらと横になる時間が増えました。座椅子のないこたつなんて、「ハイ、横になってください!」と言っているようなものです。

ニトリで新しい座椅子を探す

くどひろ
しれっと、新しい座椅子を復活させたらバレないかも?

そう思ったわたしは、ニトリで座椅子と座椅子カバーのセットを買うことにしました。売場で背もたれの低い座椅子に実際座って品定めしていたら、ひとつ気になる商品がありました。「体にフィットするコンパクト座椅子」という商品で、価格は税込で3,990円。

くどひろ
安っ、座椅子カバーも2,000円!ニトリ、安っ!

とか、ひとりブツブツ売場で言う40代は危険です。体にフィットするコンパクト座椅子というくらいなので、確かに体にフィットします。いい感じで背もたれがカーブしていて、背中を包み込みます。低反発ウレタンで、14段階の細かいリクライニングもできちゃいます。

新しい電化製品、日用品に慣れないこともある母なので、デイに行っている間に新しい座椅子をセットして、黙って様子を見てました。ドキドキしながらデイからの帰りを待っていたのですが、座ってすぐ何かに気づいたようです。

あんた、何なのこの座椅子。すごくいいわね!いくらしたの!

という質問を毎日されるという、いつものルーティンをこなしたあとで、寒い寒い冬がやってきました。

母の居眠りの姿勢に変化が!

わたしはね、昼寝とかできないタイプなの!

意味不明な寝てないアピールをいつもする母ですが、ガッツリ昼寝はするし、夕食後もウトウトします。あまり寝すぎると昼夜逆転して、変な時間に起きるので程よく起こすのですが、コタツで寝る姿勢に大きな変化がありました。

体にフィットする座椅子なので、座った姿勢のまま寝るようになったのです。朝の山手線に居る口を開けたサラリーマンみたいに、座椅子にスッポリはまったまま寝てます。前の座椅子なら100%横になっていたのに、今では50%ぐらいになりました。

体にフィットするコンパクト座椅子 ニトリ

上の写真のように、座るところもウェーブしているのでお尻もフィットするし、背もたれも包みこむ感じなのでダブルでホールドしています。体にフィットするコンパクト座椅子のおかげで、母が横になる時間がかなり減って、座っている時間が長くなりました。

寝ているよりも座っているほうがいいワケ

先日購入した認知症の本の中に、こんなことが書いてありました。

どんなにリハビリを頑張っても、それ以外の時間が寝たきりでは本末転倒です。動き回るのが難しい場合は、できるだけ「座った状態」を保ちましょう。座っているだけでも筋肉は刺激されますので、結果的に脳の活性化につながります。
引用元:認知症は接し方で100%変わる!(IDP出版)

なるほど、座っているだけでも横になるよりメリットがあるのか!確かに亡くなった祖母も、まだ座ってられた頃は元気でした。それが寝たきりのようになってからは、一気に衰弱しました。

たまたまニトリで買った座椅子が、こんなメリットをもたらすとは思ってもいませんでした。たった4,000円です、まさにお値段以上!

うちの親、寝てばっかりで心配・・・なんて方は、試してみる価値はあるかもしれません。ちなみにうちの母は、155cmで46kgくらいです。100%座った状態をキープしてくれるワケではないのですが、うちは明らかに違います。他には「背筋ピン座椅子」とかもあるので、ニトリでご家族に合う座椅子を探してみてくださいね。

今日もしれっと、しれっと。


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4件のコメント

全く同じ悩みでしたので、試してみたくて買いました!もし効果がなかったとしても、試してみようと勇気を持てたことだけでも「お!値段以上」かもしれません。

ふくいさま

あら、まったく同じお悩みでしたか!そういう方もいるかなぁと思って、記事にしたのでよかったです。
もし効果ありましたら、コメント頂けるとうれしいです!

包み込むような座り心地が気持ちいいと喜んだのですが、気がつけばゴロンと横になっています。残念ながら私の母は横になることが当たり前になってしまったようです。横にならないようあの手この手で工夫しても最終的には、好きなように横にさせてもらえないことに怒ってしまうので無理強いはしないことにしました。(フーっ汗)
座り心地がいいので私が使いたいくらいです(笑)。

ふくいさま

あらぁ・・・すみません!

うちは横になれなくて、とうとう座椅子を母自ら外してしまったのですが、しれっと戻しておきました。母は筋力がないから、スポッとはまるのかな・・・

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか