介護施設の決断は、車椅子を使い始めるとき?

前回の記事は、母のための初の介護施設の見学の話でした。

親を介護施設に預けるきっかけは人それぞれですが、わが家で可能性のひとつになるのは、母が車椅子を使い始めたときかもしれないと、ケアマネさんと話していたところでした。

車椅子を使い始めると、なぜ介護施設に入らなければならないのか?

わたしもケアマネさんも、今の母には車椅子の操作は難しいと判断しています。2つの意味で操作できないと思っていて、1つは認知症が進行していて操作方法が分からないだろうと。もう1つは手が不自由で握力がないので、車椅子を動かせないだろうと。

健康診断で車椅子に乗った母

先日、母を健康診断・がん検診のために、病院へ連れて行きました。その際、肺がん、子宮頸がんなど各科を回るのが大変で、途中で看護師さんから車椅子を使ったらと提案され、途中から車椅子を使うようになりました。詳細は、下記記事です。

母は前は車椅子を嫌がったのですが、今回はこれラクねと言ってくれたので、健康診断の移動時間は大幅に短縮できました。看護師さんが持ってきてくれた車椅子は介助式かと思っていたら、自走式。

要は自分で車椅子の操作ができる、ハンドリムがついたタイプの車椅子です。車椅子の使い方、選び方の詳細は、わたしの最新刊に書きました。これはチャンス!と思ったわたしは、

くどひろ

ねぇ、ここをつかんでさ。車椅子動かすことできる?

と母に言いました。

わたしとしては、もしここで車椅子の操作ができたら、在宅介護できる期間が延びるかもと思ったのです。母は不慣れな手つきでハンドリムをつかむと、ゆっくりゆっくり前に進み始めました。

くどひろ

おーーーー、すごいね!動かせるんだ!

全く動かせないと思っていたので、想定外でした。早速スマホを取り出し、母の様子を動画で撮影。もし車椅子が必要になる日が来たら、作業療法士さんや福祉用具専門相談員さんに見せて相談するための撮影です。

ただ病院だから、車椅子を動かせた部分もあります。スペースは広いし、車椅子を動かしやすい床になっていたので。これが自宅となると、じゅうたんの摩擦は厳しいかもです。

またわたしが何も声を掛けずに、母ひとりで車椅子を操作できるのかも分からないので、車椅子が操作できるとは言い切れませんが、動かせただけでも大きな収穫でした。

音声配信voicyの最新回は、介護も大切だけど親の家のメンテナンスも忘れないでの話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか