「介護はプロに任せればいい」というけど、やはりそれだけでは足りないと思った話

何をいまさらというタイトルですが、在宅介護中の小さな出来事から、改めて家族の介護が中心にあって、そこに介護のプロのサポートもあって、介護は成り立つものだよなと思った話をします。

母の寝室の隣にある部屋の2つのクッションを裏返したら、カバーにしっかり便がついていました。もうひとつは汚れたリハパンが隠してあったので、カバーは消臭ストロングでつけおき洗いし、リハパンは廃棄しました。

これを最大1時間しかいないヘルパーさんに見つけてもらうのは不可能な話で、こういった家族のわたしにしか見つけられない、小さな家の変化はたくさんあります。

置き型手すりの位置も、母がたまに見せる馬鹿力で変わっていたのですが、この変化に気づけるのはわたしと作業療法士さんくらいです。

改めて言うほどではないのですが、在宅介護の中心は家族であって、介護のプロはサポートということなのだと思います。

家族が求めるレベルを押し付けない

では、わたしが望む在宅介護のレベルを、あれやこれやとヘルパーさんにお願いするかというとそれも違うかなと思っています。おそらく母の失禁処理、リハパン交換、洗濯でほとんどの時間を取られている現状から、無理だと思います。

それでもお手紙を書いて、お願いすべきことはある程度ヘルパーさんの連絡帳に貼っています。それ自体がプレッシャーになっているかもしれませんが、時間があるならという前提でお願いしていて、すべてをこなしてもらおうとは全く思っていません。

介護はプロに任せたほうがいいと言うけれど、時間制限のある介護のプロにも限界があって、それ以外の在宅介護は家族で何とかするしかないって言う当たり前の話を、今さらながらブログの記事として書いてみました。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか