反響が大きかった在宅介護でなぜ便座にうんちがつくのか問題の続編

2023年に書いたブログ記事『在宅介護中になぜか便座にうんちがつく原因と対策』は、介護ポストセブンでも改めて書いたのですが、大きな反響がありました。

誰にも読まれない記事と思っていたのですが、在宅介護中の皆さまには思い当たる節があるようで、たくさんのコメントを頂きました。

その時のコメントを簡単にまとめると、

  • お尻を拭く前に立ち上がって便を見るため
  • トイレットペーパーを小さくちぎってしまう
  • 便座に跳ねた尿やウォシュレットを便のついた紙で拭く
  • 拭き忘れ
  • リハパンの中ですでに便がお尻等について、そのまま座る

こういう話を自分の個人ブログで書く分にはいいのですが、これが介護ポストセブンでも書き直すと、そのままYahooニュースになります。あの場所でこんな話を書く人はおそらく、わたしぐらいだと思います。

前回記事から2年が経ち、わたしの介護環境が変わって原因がハッキリわかりました。

母と一緒にトイレに入る機会が増えて分かった

2年前は母と一緒にトイレの中に入っていなかったので、推測で記事を書きました。しかし今は母の便失禁や弄便が思いっきり増えたので、一緒にトイレに入ることはもはや日常で、目の前で母の行動が分かるので、原因も分かったのです。

母は便座に座ってお尻の穴を拭こうとする際、前から手を入れます。その際にまず自分の太ももにあるほくろを汚れと勘違いしてトイレットペーパーで拭いてから、手を奥のほうに入れます。

そしてトイレットペーパーについた便を毎回確認するのですが、その時に便座に便が付着します。頂いたコメントにもありましたが、紙の大きさが小さいので便が手にもつきます。その手で手すり、トイレットペーパーホルダー、トイレのドアを触って、弄便の完成です。

あとはコメントにあった、リハパンの中ですでに便失禁があってそのまま便座に座るケースもよくあります。拭き忘れもあるので、ほぼ頂いたコメントのとおりでした。

なのでわたしは遠距離介護で帰省したら、除菌ティッシュでトイレのドアやドアノブなど一通り除菌するのが日課になっています。

トイレットペーパーの確認はみんなするので、これはしょうがないかなと諦めました。ただもうちょっと便の付着に対して、恐怖心を持って欲しいのですが認知症なので難しいでしょう。

母と一緒にトイレに入った際は、わたしがウォシュレットのボタンを押します。それを何度か繰り返していると、母が思い出してウォシュレットを使ってくれるときがたまにあって、あれは本当に助かります。

最近は母がトイレに行こうとしたら必ず「大か小か」を教えてもらって、「大」と答えたら母がお尻を拭く前に自分からトイレに入ってウォシュレットのボタンを押したり、拭く時に指示することが増えました。

とはい遠距離介護なので、わたしがいるときしか使えない技です。

弄便の処理はヘルパーさんも大変

弄便も昔なら大騒ぎするところですが、慣れって恐ろしい。今は何の感情もわかず、瞬時に処理できるようになりました。

ヘルパーさんも慣れているとはいえ、時間がないのに洗濯物が大量に発生して大変です。そこで医療的な方法で、この弄便問題を解消すべくこんなことをしています。

・便の硬さをコントロールする薬を飲む。軟便は被害が拡大しやすいが、硬いと被害は小さい。
・週1回、訪問看護で浣腸で強制的に便を出すようにしている

新しいデイサービスに変わったので看護師さんと連携すれば、もうちょっとヘルパーさんもラクできるかもしれません。坐薬も使っているのですが、すぐに便が出ない日もあって、時間差で出るとその担当のヘルパーさんは地獄です。

やはり介護だけでなく医療的なアプローチを取り入れたことで、だいぶ介護はラクになりました。とはいえ処理は大変なので、次なる策を7月から試してみるつもりです。またその話を書くかもしれません。

今日もしれっと、しれっと。






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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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