1/18新刊発売のお知らせ

認知症の母の「ある口癖」がいつも予防線を張っている

認知症の母の「ある口癖」の回数、やたらと多くなってきました。

よくよく考えると、予防線を張る(=あとで失敗したり非難されないよう、前もってうっておく手段のこと)言葉になっていることに気づきました。その言葉とは、

「話は変わるけど」

今までは聞き流していたのですが、「ありとあらゆる言葉が気になる症候群」に陥っているわたしなので、急にこの言葉がひっかかるようになりました。

「話は変わるけど」に含まれる意味

なぜ、母は「話は変わるけど」を連発するようになったかというと、こういう意味が含まれていると考えます。

(わたしはここまでの話はすべて理解していますよ)「話は変わるけど」

いかにもここまでの話を理解している風に母は言うのですが、もちろん理解していないことも多々あります。自分が、直前の話を理解していないことを悟られまいとするための言葉だと思います。母の心を読み解くと、きっとこうです。

(あれ、今までの話を思い出せない・・・バレたらどうしよう・・・分かってるように演出しなきゃ)「話は変わるけど」

母の揺れる心が、この言葉から読み取れます。なるほど、こうやって自分自身と戦っているんだなぁと。

こんなケースもあります。それまで同じことを何回も繰り返していた場合、きっとこんな思いだろうと推測します。

(この話、もう何回したかな・・3回、いや4回目だったら恥ずかしいな、こう言えば複数回言ったことがリセットされるな)「話は変わるけど」

もはや何回同じ話を繰り返したかは理解できてないはず。でも「話は変わるけど」と言えば、次は違う話をするんだなと相手には伝わります。

実際は「話は変わるけど」と言いながら、わたしに対しては同じことを繰り返しているので無意味なのですが、おそらくデイサービスや訪問看護師さんには通用してきたと思うので、それで世を渡り歩いているんだなと思いました。

生きていくための工夫

こうやって失われていく記憶との戦いに挑む母親の工夫を見て、本当にすごいと思います。わたしだって、自分のプライドを守りたいがためにいろんな予防線を張って、必死だったりします。それをバレないようにやっているのがわたし、純粋に表に出てしまうのが母なんだと思います。

こんな言葉の予防線を張っている認知症の方は、他のご家庭でもいらっしゃるのかな・・・

通常ですと明日は更新日ではないのですが、1件お知らせの記事をアップします!

今日もしれっと、しれっと。

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東京と岩手の遠距離「在宅」介護を、10年以上続けられている理由のひとつが道具です。わたしが使ってきた道具を中心に、介護保険の杖や介護ベッドなど福祉用具も含め、介護者の皆さんがラクになる環境を実現するための本になっています。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

1件のコメント

>予防線を張る(=あとで失敗したり非難されないよう、前もってうっておく手段のこと)

× あとで失敗したり非難されないよう → 〇 あとで非難されないよう

非難されるのは失敗したからです。どう弁明しても失敗したという事実は覆すことはできません。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて11年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか