認知症が進行したとは思う。でも深刻には考えてない認知症の母のお盆の様子

認知症 進行 深刻

いつもと生活リズムが違うお盆の期間。

認知症の母(74歳・要介護1)の症状は、毎年悪化します。簡単に言うと「同じことを何回も言う」、この回数が通常時の10倍くらいまでアップします。フリーザと戦った悟空の界王拳と同じ倍率です。

  • 和尚さんはいつくるの
  • 和尚さんはお父さんのほうなの、息子さんのほうなの
  • 誰が(親戚とか)仏壇に拝みに来るの
  • その時のお返しは用意してあるの
  • お墓はいつ拝みにいくの
  • お墓そうじはいつやるの
  • お布施はいくら用意するの
  • (わたしの妹が)いつ家にくるの

この8つを、8月8日くらいからずーっと何度も何度も何度も質問します。質問がある程度集約されてきたら、これらの回答をすべて紙に書きだして母の前にずっと置きました。この質問が来る都度、

くどひろ
ん?紙に答え書いてあるでしょ?
あ、はいはい。書いてあるね。

ひどい時は10秒経たないうちに同じ質問をするときもありますし、1分以内はしょっちゅうです。1日で質問回数をカウントしたら・・・怖くなったので、カウントは止めました。

口頭で返事をし続けるのは結構大変なので、紙に書いて指さしという方法を取りましたが、結局はお盆が終わるまでこの質問攻撃は続きました。お盆が過ぎるのを待つのがベストな方法ですが、さすがに回数が尋常じゃないので、わたしも若干疲れます。

わたしが「毎年すべてお盆の準備は自分がしているし、何の心配もいらないよ」と言っても、本人の不安が消えない限りどうしようもありません。わが家のお盆の風物詩となっています。

孫が来たり、妹がいるときは多少は薄まるのですが、そんなに親族がたくさん来る家ではないので、ほとんどの時間を母と息子2人で過ごしています。だから、母の「同じ言葉マシンガン」をダダダダダダッと、一人で浴びるのがお盆のわたしの一番の仕事なのです。

回答を書いた紙は盾がわりで、「かみのたて」で多少防御できるのですが、お構いなく撃ってきます。ドラクエの「かわのたて」は最弱と言われてますが、それよりも弱いです。

被弾して血まみれの体でバスに乗り、父のマンションへ行くと、父がなぜか荒れていてさらにマシンガンで撃たれる。うっ・・・く、くるしい・・・し、死ぬ・・・

小学館さんで連載中の「介護ポストセブン」のシリーズタイトルが「息子の遠距離介護サバイバル術」です。何でそのタイトル?と最初は思っていたのですが、今のこの状況を1年前から予見していたんですね・・・さすが大手出版社は、やることが違います。父がレンタルDVDで「ランボー、借りてこい!」とか言うし・・・スタローン見てサバイバルの勉強しろということだったんだな、おやじ!

認知症の進行を深刻には考えてない、でも悪あがきはしてみる

先月のものわすれ外来の時も、

くどひろ
介護で困ってはいません。でも確実に、同じことを繰り返すまでの時間が短くなっている

と話しました。訪問看護師さんも同じように感じたようでしたが、特に手を打つことはしませんでした。ただ、やっぱり何かしたほうがいいと思うので、矢継ぎ早に新しい薬ではなく健康食品やサプリをテストします。8月に1つ、9月から11月に1つ、12月から1つという感じです。

それでも母はニコニコしているので、わたしがうまく受け流せれば問題はないです。お盆が過ぎて、日常に戻れば問題はないと思うのですが、記憶の保持が厳しくなってきています。父同様、悪あがきタイムが始まります!

ということで、いろいろ試している(これから試す)ものを、ブログでご報告したいと思います。血を流しながら、3作目の本を書いております(泣)

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

お休みの間、一人暮らしの母を旅行に連れて行きました。私の息子が結婚するという話をこのところ何度もしているのですが、記憶できません。

この日も、

何歳なの?あー、若いのね〜
若いからお父さんは嫌がるわねー、
え?お父さんから「ありがとう」って言われたの?
なかなか言えないわね、う、うっ。
(ここで泣きが入る)

と、この会話をエンドレスにやりました。
泣きが入るところも毎回同じです。

それが、最後は少し記憶するようになってきて
しつこく会話することの大切さを感じました。

うちも、一人暮らしの母の記憶をどう保持していくかがこの先の問題です。
これから何を試されるのか気になります!

mmさま

確かにしつこく会話すると、うっすら記憶の畑に種まきができることがありますよね。芽が出たりでなかったり・・・

いろいろ試す1つ目は9月くらいに記事にできればと思っています!

一人暮らしの母の元に行くのが億劫になってます。
エンドレスの会話にわたし自身が疲れてしまって。
でも行って会話しないと益々物忘れが進んでしまう、でも行きたくない、そんなことを思う私はひどい娘⁈
電話はなんとか2日に一度くらいはしてます。
まだまだ続くであろうこの生活。
悟れる日は来るのでしょうか⁇(笑)

kazuminnさま

ひどい娘ではないと思います、ごくごく普通の反応です。わたしも帰省が面倒だなと思いながら、足は自然と盛岡へ向かってます(笑)少しずつ悟れる日はくると思います。症状が変化していきますし、介護者自身も成長するからです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか