認知症の経過報告(1年と21週・22週間目)お隣さんが亡くなった時の母の反応がひどい!

「お隣のおうち、入ってみたら思ってたよりせまかった」

これは8月上旬にお隣のおじさんが亡くなり、月末にわたしと一緒に拝みに行ったあとの母の話です。金曜日に行ったのですが、日曜日までの間に30回もこの話を聞かされてウンザリ。

「認知症の人に否定や説得は意味がない!」 心の中で念仏のように日々唱えているわけですが、回数が尋常じゃないのと、いつもよりも間隔が短くって、念仏を唱える前にまた言われるので対応できませんでした。そのうえ、

「ところでお隣には、何しにいったっけ?」

30回リピートしたあとに、こういう事を言うので愕然としましたが、しょうがない!それが認知症だから決して怒らず、香典返しのハガキをスッと差し出して思い出してもらいました。その後、母がこんな事を言いました。

「そういえば、××(わたしの亡くなった兄貴)の時、お隣からいくらもらったっけ?」

スイッチが入るようなところでもないのに、30回の積み重ねでつい言っちゃったんですよね。

「45年も前にいくら渡したかなんて、お隣さんも覚えてるわけないでしょ!」
「当時の3000円と今の3000円じゃ価値が違うんだから、比較しても意味ないでしょ!」
「この前、ばあさんが亡くなった時に頂いた額と同額でお返ししたから!」

ちなみにわたしは怒らない人なので、文章表現よりかなり穏やかめに母には言いました。すると、

「わたしね、手帳のどこかに金額書いておいたはずだ」

心の中では 「このヤロー、45年も前のこと書いてるわけねーだろ!!」って思いながらも、口から出た言葉は、「そうなんだ~」 もちろん書いてないです。最近、取り繕いがひどいです。

ご近所に対しての異様な執着は、?「人生歴」 を紐解くと、症状の原因解明ができる! という記事で書いたのですが、こんな育ち方をしたので、やむを得ない部分があります。

<若い頃の母について>
・今ほど離婚が当たり前じゃない時に、両親が離婚して周りの目が気になった
・離婚もあって今の自宅にたどり着くまでに、9回も引っ越した
・4畳1間で隣の声が丸聞こえな部屋で、テレビの音量を低くしながら見た

縁起でもない言動を繰り返していた母

我が家は5軒に囲まれているのですが、夜になると窓や扉を数cm開けてお隣を覗くことがあります。

「お隣で電気ついてないけど、家出したのかな」

これくらいはかわいいほうで、だんだんエスカレートすると、

「お隣で最近見かけないけど、亡くなったんじゃないかな」 
「この前さ、黒い幕張っているのを見かけたから、お葬式じゃないか」 
「お向かいさんが直立不動で立っていたから、お見送りをしてたんじゃないか」

この妄想は理由がつかめないんですが、とにかく母はそういう事を言います。そんな事を妄想で言っていたら、本当にお隣のだんなさんが亡くなってしまったので、なんとも言葉がありません・・・

この妄想を99%信じてなくても、1%は可能性あるかな?って思ってしまうんですよね。半年以上もこの妄想を繰り返してきたため、民生委員さんに、

「お隣のおじさんって、まだ生きてますよね?」

「デイサービスに通ってらっしゃってね・・・でも元気よ」

「そうでしたか・・・よかったです」

ネガティブ妄想はやられますね・・・・

現在のお薬の状況

ウインタミンを飲ませず、フェルガードB 1本でしばらく様子を見る事にしました。同じ事を言う時間の間隔が短くなっているんですよね・・・最近は薬物療法よりも非薬物療法で何かないか、考えている最中です!

今回のランチ

居酒屋 寧々家 のランチメニュー 姫 全12品とデザートつきで1390円(税抜)20140901_122624

シャルコー・マリー・トゥース病のリハビリのため、帰省時には必ず1回は外食をしています。家の中ばかりいると歩けなくなってしまうので、リハビリ外食です。リハビリ外食もそろそろ2年になりますが、これはこれでエピソードがあるので今後おまけでご紹介しますね。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか