1/27発売の新刊はキレイごとを言わない介護の超入門書です!

認知症の経過報告(1年と15週・16週間目)・とにかく待てない

うちの認知症(ピック病)の症状として、特徴的なのは”待てない” ということです。

ピック病の症例の代表、いわゆる反社会的行動というレベルではないんですよね・・ただ言えるのは、前頭葉の機能が低下すると、衝動を抑制できずに理性的に振る舞えなくなります。

待てない=衝動的 と考えれば、これもピック病の症例なんだろうな と理解できます。今に始まった事ではないんですが、この週は特に”待てない” 事が多発しました。

洗濯物が乾くのが待てない

ブログで何回かご紹介してますが、母は濡れた洗濯物を取り込み、そのままきれいに畳みます。洗濯物を干して、1時間ほど経過した頃には、

母:「そろそろ乾いたかな?」

と言って、洗濯物を取り込もうとします。夏はそれでも8割近く乾いているので、まだマシです。冬はほとんど乾いてないのに、取り込んで畳みます。治る見込みがないのですが、理由はどうしても知りたい!わたしの推測は、

「男性の洗濯物を干しているのを、ご近所に見られたら何か言われる」

異様なほどご近所が気になる母(周りは気にしてないのに、一方的に気にしている)なので、きっとそういう事だろうと推測していたんですが、

母:「色あせるから」

との回答。なんかそれっぽい回答してます。実際のところは、干し始めた時間を忘れているからだと思うんですが、こういう 「取り繕い」 は最近パワーアップしています。第三者は分からないけど、わたしは分かっちゃうんですよね・・・

量の調節ができない

全盛期の6割程度ですが、料理はできます。でも、量の感覚がおかしいです。先日とうもろこしを5本買ってきました。食べるのは母とわたし。1回にゆでる本数は、2本~3本が普通ですよね?

しかし母は5本ゆでようと準備します。ゆでたてのおいしいところを食べたいので、3本を自分の部屋に隠しました。その日は2本ゆでて、翌日の朝隠していた3本を持って食卓へ。

すると目を離した隙に、3本全部朝からゆでちゃいました(泣)

昨日のゆでたとうもろこしが食卓に残っている上に、3本ゆでているのでゆであがったとうもろこしは計4本。ゆでたてを食べたいのに、3日間冷たいとうもろこしを食べます。あるもの全部調理する傾向が強くなってます。翌日まで待てないんですよね・・・

面倒くさい?

マメな母でしたが、最近は不思議な調理をよくします。先日のお昼にうどんをリクエストしたら、またとうもろこしをゆでています。うどんはゆでないの?とリクエストしたら、とうもろこしの下でうどんをゆでてました(笑)

できあがったうどんを恐る恐る食べると、あれ?悪くないです・・・・

なんでも同時に煮込む習慣があります。厚揚げの煮物とかぼちゃをそれぞれ単品でリクエストしたら、初めてみた厚揚げとかぼちゃの煮物が出てきました。味は問題ないんですが、あまった野菜をなんでもみそ汁や煮物にいれる傾向が強いです。衝動性が強くなっているのか?

漬物を何年かぶりに漬けてみる

ヘルパーさん、看護師さんに必ず漬物の話をする癖があり、これを1年続けてきました。

「きゅうりはね、夏じゃないとだめだから、今度の夏がきたら」

そう言い続けて1年。その夏がやってきました!いきなり本番はまずいので、テストで漬けてもらうことに。しかし、ここでも待てません・・・本人曰く、きゅうりを塩で何日か漬けて、水出しをする と力説しておきながら、目を離した隙に水出しどころか液?に漬けこんでます。1時間も経ってません。待てないんです。

それでもピック病のサプリフェルガードBだけの服用で、安定はしているんですよね・・・日々のこういった細かい事は山ほどありますが、なんとか自分自身で処理できるレベルです。会話も決まった内容を決まったタイミングで話し始めます。症状の悪化のスピードは遅くなってると思いますが、ゆっくり悪化はしてますね。


にほんブログ村 介護ブログへ


【2025.01.27発売の最新刊】
「老いた親の様子に「アレ?」」と思ったら」(PHP研究所)

これから親の介護が始まるかもしれないと不安に感じている人に向けた入門書です。目次や本の内容はAmazonに掲載されています。

 

4件のコメント

うちの母も同じです。
ピックの「脱抑制」ってやつなのでしょうね。
やろうと思ったことはすぐ行動に移さずにはいられない、っていう。
お湯が沸くのを待つのも毎回一苦労で、父はよくぬるいお茶を飲まされているようです(笑)

ゆきこさま

いつもコメントありがとうございます!

そうなんです、脱抑制です。炊飯器を炊きあがる直前に開ける時は、本当にびっくりします(笑)

ウチの父は脳血管型ですが、やはり待てませんね。
出かけた先でも、家族皆が駅の改札を出るのが待てず、さっさと一人で行ってしまいます。
もちろん、本人は方向や行き先が分かってないので、速攻で追いかけないと迷子です。
もともと気は短い方でしたが、せっかち2倍速です(笑)。
もっと動作が緩慢になるのかな?と思っていたのですが、、、
信号が待ちきれないのは特にヒヤヒヤします。。

amyさま

いつもコメントありがとうございます!

せっかち2倍速って表現、うまいですね!
うちも信号待ちきれないことがあって、あの時はあせりました。

そうなんですよね、緩慢になると考えたくなりますよ、やっぱり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

【音声配信Voicyパーソナリティ】
ちょっと気になる?介護のラジオ