認知症の母の得意料理「ラーメン」をカメラで観察して分かった衝撃の作り方!

ラーメン

「お母さんのお薬の飲み忘れが増えています」
「お母さんの同じことを言う感覚が短くなっています」

最近、ヘルパーさんや訪問看護師さんからこう指摘を受けました。

わたしは今年に入ってから感じていたことで、医師にも話したのですが、接する時間の短い皆さんから指摘されるとやはりショックで「 やっぱりか~」と。

その進行ぶりは、料理にも。

寮母だった母は料理が得意で、お店の味をコピーできるほどでした。わたしも東京の友人を毎年のように盛岡に招待して、母の料理をこれでもか!ってほど食べてもらいました。

そんな母も、次第に料理のレパートリーが減っていて、わたしが口にできるものは、残り10あるかないか。講演会や自著でも紹介している得意料理「ラーメン 」も、最近怪しい。

先日食べたラーメンは、麺をゆがいてないせいで、麺同士がくっつき、塊になって出てきました。しかも麺を少ない湯量でゆでたため、ぬるぬる。母の風前の灯火「ラーメン」だけは、死守せねば!

そこで、母のラーメン作りの工程をコッソリ見守ることにしたのです・・・カメラを使って。

台所のスマカメの位置

うちの介護見守りカメラ『スマカメ』は、居間と台所にあります。

台所のスマカメは、キッチンのちょうど真横にあり、料理を観察するために設置したわけではないのですが、偶然すべての料理工程をチェックできます。

母は台所に、わたしはすぐ隣の居間で寝そべりながら、スマホで母のラーメン作りを観察することにしました。その模様を『スマカメ』で撮影したのが、次の写真です。

右矢印が居間のわたし、左矢印が母

母からはわたしの姿は見えません。わたしからも母は見えませんが、わたしの手元のスマホにはまさにこの写真の映像が映っていて、ズームもできます。

ラーメンのスープづくり

鍋にラーメンのスープ用の水を張ります。料理が得意だった母は、すべて目分量。認知症が進行しても、手順は変わりません。しかし、目分量も覚えていないので、途中で水が足りず、追加することに。

くどひろ
ちょちょ、ちょっと!!

居間で大声を出す、わたし。

母は洗い物が雑になり、使ったコップに水を張っておけばキレイになると思っています。そのコップに使い終わったスプーンやはしを入れ、放置しておくことも。次の写真のような感じで。

使い終わったスプーンやはしは、コップの水につけておく

あろうことか、母はそのスプーンをとり、汚れた水をスープの水として追加したのです!それで、わたしが居間で大声を。

さすがにそのスープは飲めないので台所に走り、一言「ごめん」と言って、そのお湯を全部捨てて、一から湯を沸かしてもらいました。母は何が起きたか分からなかったでしょうね。

ってことは、今までわたしが食してきた料理にも、この汚い水は使われていた?でも煮沸消毒されているから平気?いろいろ思いが頭の中をぐるぐると駆け巡り、自分のお腹をさすりました・・・大丈夫か?

母は人参と玉ねぎ、煮干し、豚肉を鍋に入れ、しょうゆでスープに味付けをします。最後に味の素をパッパッと振り、味の調整をします。

次にもうひとつの鍋に「きれいな」水を張り、そこで麺を茹でます。わたしが多めに水を張るのを手伝いました。母はまな板を用意して、ネギを切り、しなちくの袋の封を切ります。

スープがぐつぐつと煮立ったところで、母はあくを取ります。そして味の素をパッパッと振り、味の調整をします。

麺を茹でるためのお湯が沸きました。母はスープのあくが気になります。あくを取って、最後に味の素をパッパッと。

そろそろ麺を茹でるのか?と思いきや、またスープのあくが気になり、味見をして、最後に味の素をパッパッと。

くどひろ
やばい!これ以上味の素を入れたら、スープが化学調味料だらけになってしまう。ラーメン二郎じゃないんだから。

母がよそを向いた瞬間に、味の素を回収。しれっと居間に避難させました。

台所から回収した味の素

麺をゆでるか?と思ったら、またスープのあくをとり、母は味の素を探します。でも、味の素はありません。

あれ、味の素はどこいった?ねぇ、味の素知らなーい?

「煮干しでだし取っているうえに、味の素何回振るんじゃ! 」と思いながらも、「知らなーい」と返事。しかし、若干の罪悪感はあり。何回振ったか、覚えていないんだな・・・。

そんなこんなで普通の?ラーメンは完成しました。普通の仕上がりです。しかし、その作り方は衝撃で、今後の母の料理すべてを食べるのが怖くなりました。

ラーメン
無事普通に完成したラーメン

最後の砦はラーメンだから

母はひとり暮らしなので、ひょっとしたら汚い水でご飯を食べる日もあるだろうし、洗い方が甘いフライパンを使いまわして料理することもあります。

ただ、今のところ母は体調を崩していないので、わたしやヘルパーさんがたまに食器を洗ったり、料理もたまに監視する程度でいいかなと思ってます。

もっと神経質にならないといけないのかもですが、それ以上に怖いのが、わたしや周りが神経質になりすぎて、過保護になりすぎて、母が何もしなくなることです。

認知症介護において「介護者側の普通」を認知症の人に押し付けてしまい、認知症の人が委縮して行動しなくなる。どの家でもよくある話だと思います。「危ないから」「触らないで」「わたしがやるから」、ついつい、介護者が言ってしまう言葉です。

今回はたまらず介入しましたが、麺類以外は介入しないし、スマカメチェックもしていません。おかしいことだらけですが、できるだけ我慢して手伝いません。

母の最後の砦はラーメンです。このラーメンがいよいよできなくなると、ヘルパーさんの力を借りて料理をしてもらうか、宅配弁当かになってしまいます。

現在76歳の母。できれば80歳まで、この料理を続けてほしい。ラーメンしか作れなくなってもいい、変な味でもいい、変な盛り付けでもいいから。

今日もしれっと、しれっと。

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2 件のコメント

  • でも!すごくきれいにしていますよね。びっくり。義母などなんでも床に置いちゃう、使った器はめったに戸棚に戻さないで台所の調理台の上に置く、のでごちゃ~~~!とした家です。元のところにしまう、はもはや、無理ですけどそれはできるんですね!!
    入れ歯も台所で外して洗うので・・流しの片隅に入れ歯を入れたちょとおぬるついている変色したプラスチックの小ボールに朝の水が残っていて・・

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    ABOUTこのブログを書いている人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!NHKニュース「おはよう日本」、NHK「あさイチ」でこのブログが紹介されました。連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか