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コロナ禍の認知症の症状悪化について思うこと

新型コロナウイルスの影響がなかったら、母とわたしはこれらをこなしておりました。

  1. 母の健康診断(盛岡市・無料)
  2. 母のがん検診(盛岡市・無料)
  3. 母の長谷川式認知症スケール
  4. わたしの大腸内視鏡検査
  5. わたしの人間ドック(少しお高めの)
  6. 親子で富士山旅行

母の乳がん検診が2年に1回と決まっているので、それに合わせてすべてのがん検診を行っています。わたし自身も母に合わせると忘れないので、2年に1回これらの検査を受けています。

改訂長谷川式認知症スケールは、毎年12月(年1回)に行っています。昨年12月に実施したときは、30点満点で12点でした。

12月はコロナの影響とわたしのスケジュールの都合で帰省できないので、来年1月にテストを実施します。

ここで認知症の人と家族の会が行った、コロナ禍での認知症の症状の変化についてNHKニュースより引用します。

この中で認知症の人の家族150人に、介護施設での面会制限や外出自粛の影響などについて尋ねたところ、半数近い72人が「症状が悪化するなど影響があった」と回答しました。家族からは「外出や人との関わりが激減して症状が悪化した」とか「生活が変わったせいか、5月以降、目に見えて症状が進んだ」といった声が寄せられたということです。

引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201008/k10012652811000.html

体感として、母(77歳・要介護2)のアルツハイマー型認知症の症状はコロナ禍で悪化しています。

具体的には同じことを何度も言う回数と間隔の短さ、妄想の頻度、会話の内容がさらに昔の話になってしまったなどが挙げられます。

それでもデイサービスやヘルパー、訪問リハなどの利用は継続できているので、コロナがきっかけなのか、順調に認知症の症状が悪化しているのかは不明です。

おそらく長谷川式認知症スケールを行えば、今回は1桁になるような気がします。テストの点数だけで判断すれば、1桁は重度の認知症となります。

そう判断されるとショックかもしれませんが、わたしから見るとまだまだ中等度の認知症だと思っていますし、8年も介護をしていると慣れたり達観する部分が増えたりするので、遠距離在宅介護を続けられるかも?と考えています。

何より、大きな病気の気配が今のところはありません。日々、認知症に関するドタバタは起きますが、大病をしてないだけでありがたいと思い、些細なストレスはやり過ごしています。

ここから、何か医学的な手があるのか? という話をかかりつけ医とも話したのですが……。うちはコウノメソッドを今も実践中で、抗認知症薬は8年間ほとんど使っておらず、途中レミニールやアリセプトを少し試した程度で、基本はサプリメントとプレタールでやってます。

正直、何が正解かは分からないのですが、薬の量も種類も増やすデビルメソッドな処方に当たってないだけ幸せかもしれません。そういう医師にあたって大変な思いをしているのに、気づかず介護しているご家族はたくさんいます。

80歳を過ぎたら、認知症の方がグッと増えるというデータがありますが、母はまだ77歳。これからアトラクションに乗るための行列に逆行して、早々にアトラクションを体験し颯爽と出口に向かう人みたいで、もうちょっと医学的に抗ったほうがいいのかなと思うこともあります。

何かを踏み出すほどの大きな変化ではない、だけど記憶の保持は相当厳しくなっている、しかもコロナで加速した、そんな印象です。

親子で富士山旅行に行こうとするといつも台風が来て、今年はコロナが来て、何年先延ばししているんだろう……。来年は行けるのだろうか?

今日もしれっと、しれっと。


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8件のコメント

工藤さま

私の父も5月くらいから認知症の症状がはっきり出てきたと思います。
5月の連休は緊急事態宣言もあり、実家に帰りませんでした。
父は8月から薬を飲み始めましたが、悪化しているような気がします。

コウノメソッドをやっている病院は、少し遠いこと、金額的なことで、今は無理かなと思っています。
だけど、薬で解決できることではないというのはわかります。

良い病院が近くにあり、良かったですね。
お母様の症状が、悪化せず、来年は富士山にも登れますように…

長文で申し訳ありません。

匿名さま

いえいえ、もっと長いコメントもありますので大丈夫ですよ!

オンライン診療が解禁になると、初診は行かないといけないかもしれませんが状況が変わってくるかもしれませんね。
抗認知症薬で改善する方もいらっしゃるのですが、悪化する方もいるので、家族も勉強が必要という話をこのブログや書籍に何度となく書いてきました。

来年こそ、富士山へ!ありがとうございます!

いつもお母様の検診をきちんとされていて立派だなと思っていましたが、今回のブログで77歳とありましたので、納得がいきました。まだお若いのですね。
私の母は、96歳、施設に入っています。遠距離介護です。以前から認知症があって、最近になって物取られ妄想が激しくなりお薬を飲むこととなりました。先日耳の下辺りのこぶが気になるからということで、施設の方で耳鼻科につれていってくれ、良性の腫瘍ということがわかりました。ほっておいて良いとのこと。年齢も考えて、私は、もし悪性でも何もするまい、と決めていましたが、こんな私は冷たいのでしょうか?工藤さんなら、どう考えられますか?

ニッキのママさま

69歳で母は認知症を発症してしまったので、77歳とまあまあ若くても介護歴は8年目になってしまいました。

命に関わる手術だったら、わたしは本人の意思に従って行動します。(可能な限り手術はして欲しい、延命措置を望む、望まないなど)90歳で亡くなった認知症の祖母のとき、代理で延命の判断を迫られ、その荷が重かったので、母の意思は毎年確認しています。

命に関わらない手術や処置を代理で判断することになったら、わたしは処置後の生活がどうなるかで考えると思います。例えば、処置したことによって、長期の入院生活が待っていたり、住む場所が変わってしまったり、生活のリズムが大きく変わるようなら何もしません。あとは年齢による身体的な負担も考えます。何かを処置した結果、生活不活発を招いてしまって、寝たきりや死が近づくほうが怖いので、何もしないという選択もあると思います。

89歳だった祖母の子宮頸がんの手術の際、何かあったら心臓マッサージを行いますが、肋骨折れるけどどうします?と聞かれ、何もしなくていいと答えたときのことをちょっと思い出しました。
冷たくないです、判断はそれぞれの家庭で違って当然だと思います。

くどひろさん
うちは認定上週一回しかデイを利用できなかったので、自宅に引きこもっているリスク=認知の進行や足腰が弱る事が心配だったので早くからマスク、消毒をしっかり伝えて(確実ではないと思いますが(^^;; 毎日買い物に行かせてました。比較的感染者が少ないエリアだった事も幸いだったかもですが。

こう抗認知症薬が人により副作用が強く出る話は参考になりました。先生の処方も様々な様ですし、いつから母に服用させようかと悩む所です。

もみじさま

お名前、いろんなバージョンがありますね??

抗認知症薬の話はこのブログの中にも、本などにも書いてきました。「認知症介護に役立つ本」というまとめ記事にある最初の本は、家族は必読だと思います。

くどひろさん

名前が違っていてすいません 
単に以前使用したニックネームを忘れてしまうのでその都度変えていました。汗
これからは統一しますね。

薬について詳しく書かれている本があったんですね。ぜひ読んでみます。

ありがとうございました!

もみじさま

統一されたほうが、わたしもお名前を覚える確率が上がります。
講演会等にご参加された方で、ハンドルネームで話しかけられ、あー!ってなったこともありますよ。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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