忙しいときは母にコンビニの食事を提供したかったのだが

料理が得意だった母もいよいよ、自分の力では料理ができなくなってしまいました。

わたしが必要な材料を揃え、使う調味料を伝えて、炒める時間までしっかり見ていないと、ちゃんとした料理は完成しません。特に炒める時間が鬼門で、何十秒か経つと「もう完成したわね」と言うので、「ちょっと待って~、まだ!」と必ずなります。

遠距離介護中はわたしがすべて献立を決めて買い物に行って調理し、母の役割はもやし炒め、目玉焼き、ほうれん草のおひたし、味噌汁のみで、それですらフルサポートしています。

料理している時間がないときもある

常に料理する時間を確保できるといいのですが、ものわすれ外来や眼科の通院のあとの食事は、作っている時間がないのでお弁当で済ませます。しかしコンビニは、今まで避けていました。

というのも以前、コンビニおにぎりを母に食べてもらったところ、顔を真っ青にしてトイレに何度も駆け込んでしまったからです。しばらくしてもう1度、コンビニのおにぎりを食べてもらったら同じ症状になったので、5年以上になると思いますがずっとコンビニは避けてました。

ではどうしていたかというと、添加物の使われていないお弁当が近くで売っていたので、そこまで毎回自転車で行って、そのお店の食事だけを食べてました。

今はわたしの介護負荷も高まっていて、できれば料理に時間をかけたくありません。たまにはコンビニに頼りたいと思っても、顔の青ざめた母の姿が思い浮かび、購入できません。

でも再チャレンジしないと、自分のストレスが増えると思ったので、何年ぶりかにコンビニのおにぎりを食べてもらいました。母はおいしいおいしいと言って昼に食べ、その夜と翌朝の母の様子をドキドキしながら観察しました。

布団やシーツが大惨事になるかもしれない、腹痛で起きてこないかもしれないと心配していたのですが、母に異変はありませんでした。他の通院で忙しい日にまた、コンビニおにぎりを食べてもらったら、やっぱり大丈夫でした。

これでわたしの介護負荷を減らせます。できるだけ料理を作るつもりですが、非常時にはコンビニのお世話になる機会が増えそうです。とりあえず助かった~

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今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか