実家の皿に続いた異変。認知症の母のある行動が理由だった!

ここ数か月、実家の皿に異変が続いていました。

わたしが皿を洗っていると、皿の裏が泥で汚れたように黒くなっていたり、表側の汚れもクレンザーを使わないと落ちなかったり。母も洗って落ちないと分かったようで、つけ置き洗いした皿が台所に置いてある日もありました。ヘルパーさんが、対応してくださったのかもしれません。

くどひろ

これ、食べ物の汚れじゃない!

わたしは、泥の汚れと判断。実家の外にある鉢植えを見て、皿が敷いてないか確認をしました。しかし、どこにも皿はありません。あの泥のような黒ズミの正体はなに? 泥にしてはなかなか落ちないのも気になる。

そう思いながらも命に関わる話ではないし、洗えばなんとか皿は使えるので、特に理由探しはしませんでした。

急に分かった黒ズミの正体

先週、東京で岩手の様子を見守りカメラで見ていたら、母は台所にいました。

まだ10時だというのに、昼食の準備をする母。デイサービスに行かない日の母の食事時間はこんな感じで、夕食も15時に食べてしまい、そのあとヘルパーさんの用意した夕食も食べてしまいます。食べたこと自体を忘れるので、若干ですが過食になります。

この日の昼食は、前日夕方の訪問リハビリ中に作った麺でした。何の麺料理かまでは見えないのですが、いつもは居間のコタツの上で食事をします。それがなぜか立ち食いスタイルで、ガスレンジの前に立って、麺をすすっていました。

冷蔵庫の飲料を、コップに入れずに立ったまま冷蔵庫の前で飲む日もあるので、そのパターンかと思ったのですが、皿の位置を見て急にゾッとしたのです。

皿はガスレンジの五徳の上で、まるで鍋のように皿が置いてありました。そして次の瞬間、母はガスレンジの点火ボタンを押し、皿に火をかけながら、麺をすすり続けました。

見守りカメラから「止めて!」と声を掛ければよかったのですが、初見で驚いてしまって何も対応できませんでした。

皿の黒ズミの正体は焦げだった

皿の黒ズミの正体は、焦げ。油汚れと違って、焦げはなかなか落ちません。何十年も使っていた皿が急に割れたのも、皿に直接火をかけたからだと思います。

理由はいくつか考えられますが、まずは電子レンジの故障です。20年近く使ったレンジが壊れて、新しいレンジを購入しました。故障したレンジはビルドインなので撤去できずに残っていますが、コンセントを抜いたので温めができません。それで火を使ったのかもしれません。

2つ目は、鍋のある場所を忘れてしまったのだと思います。これまでは鍋を使えていたのですが、重度まで認知症が進行していれば、忘れても不思議ではありません。皿に直接火をかける認知症の人の話は知っていましたが、黒ズミの理由とは結び付けられませんでした。

やけどや火事の心配があります。もうちょっとしたら帰省するので、今回はまずこの対策から始めます。それほど緊急事態でない理由は、火を使わない食事が多くなっているのと、デイサービスに行っている日のほうが多いからです。

ガスの元栓を閉めれば対策できますが、実家は元栓の位置が面倒な場所にあるので、東京に居るうちにガス会社かメーカーに相談するつもりです。

泥汚れと思っていたので、写真も撮ってません。見守りカメラで発見できて良かったなと、胸をなでおろしています。

音声配信voicyの最新回は、昼間にカーテンを閉める母とのバトルの話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか