1/27発売の新刊はキレイごとを言わない介護の超入門書です!

認知症の経過報告(2年と13週・14週間目) 銀行で暗証番号を聞かれフリーズした母

前回、「もの盗られ妄想」の対処法 「キーファインダー」 ってなに? では、モノが無くなったらキーファインダーというツールで探せばいいんだ!という事を書きました。

購入してすぐ、よく失くすボールペンと財布入り巾着袋に取りつけました。そのついでに我が家恒例、財布チェック(金額のチェックと、たまる小銭を両替して札にする)をしようとしたら、お財布がない、ナイ!

物盗られ妄想 対処法

巾着袋は100回以上探し当ててきたのですが、財布を失くすのは2年間で今回が初。ということで、捜索開始しますっ!

定番スポット探し、そしてデイへ連絡

今まで100回以上の捜索経験があるわたしは、それはそれは名探偵です。(今はまっている探偵ものは、名探偵モンク)家のここをチェックすれば・・・・あれ、ない。ここにあるはず・・・ん、ない。じゃぁ、ここは・・・ナイ!

次にデイサービスに電話。財布が失くなった事を伝えると、送迎車の中や施設内をチェックしてくれました。しかし、ありません。

「帽子を失くす方が多くて、だいたい3か月後くらいに家から見つかることが多いです」 とデイ所長。「わかります~、それ」 と言いながら電話を切ったのですが、結局見つかりません。

買い物先のデパ地下へ電話

デパ地下といっても単なるスーパーです。そこで買い物を、デイ職員と一緒にしている母。デパートに電話してみるものの、やはり届いてません。職員さんに支払時の財布を思い出してもらおうと思ったのですが、覚えてませんでした、そりゃそうだ。

自宅からデイへ送り出しするヘルパーさんにも確認しましたが、やはり覚えてません。ないっ!

銀行へ電話、いざ警察へ!

確か、キャッシュカードの裏に暗証番号を書いてた気が・・・これで引き落とされたら、保証されません。なのですぐ銀行に電話して、キャッシュカードを止めました。その後、自転車で15分かかる警察へ行き、遺失届を記入しました。

失くしてから1週間後

1週間経っても、家の中、施設、デパート、どこにもありません。明日東京に帰らないといけないので、キャッシュカード再発行の手続きをしに、母と2人で銀行へ。書類を書いていると行員が、

行員: 「暗証番号をこちらに記入いただけますか?」

母: 「・・・・・??」

いつもATMの操作はできるのに、なぜか緊張して思い出せません。付き添いのわたしは暗証番号を知っていたので、手に書いて、これでしょ?といって見せても、なぜか絶不調・・・思い出せないし、納得しません。

そして、母はこうつぶやきました。

母: 「生年月日だったかな?」

はい!NGワード・・・それを言ってしまったら、今の銀行では暗証番号として使えません。

行員: 「生年月日は暗証番号にはできません!別の番号にしてください!」

ときっぱり。ということで、全く違う暗証番号になってしまいました(泣)今後はキャッシュカードはわたしが保管し、ATMに行ったら横で暗証番号をつぶやくようにします。キーファインダーをつける前に、財布を失くすという奇跡(笑)

失くしたモノ

現金1万5000円(推測)、スーパーのポイントカード、美容室のポイントカード、財布自体

今までモノを失くしても、失禁してもへこまない母でしたが、今回の財布は初めてへこんでました。

母: 「お父さん(別居中の夫)がもしいたら、怒られてたわ。しかし動じないあんたを見てると、こっちも落ち着くわ」

「そういってもらえてうれしいよ・・・サラリーマン時代の理不尽な要求に比べれば、割と冷静に対処できるんだよ」 とボソボソ独り言を言いながら、家へ帰りました。

翌日東京にいる私に、母から電話がありました。

母: 「財布見つかったわよ!」

わたし: 「えっ、どこ!どこにあったの!」

母: 「ポーチの底に貼りついていたわよ」

そんなはずはない・・・厚みがあるから底に貼りつくわけが・・・・ヒアリングの結果、新しい財布を見て、見つけた!って電話してきました。2人で大笑いして、終わりました。しかし、どこへ行ったかな~、まっ、いいか、100万落としたわけでもないし。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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