認知症の母が何度も電話をかけてくる、「着信履歴」が連続11件にもなったワケ

数日前、母から電話がありました。回数にして11回。上の画像がスマホの着信履歴ですが、このとおり数分おきに何度も電話してくるのが特徴です。同じことを何度もいうときも、スイッチが入るとこれくらいの間隔になります。

こういうことを避けるため、電話が来たら1回でとるように心がげています。しかし、今回は自転車で移動中だったので、全く気付かなかったのです。着信11件と表示されると、「何ごと?緊急事態?」ってまず思います。

さかのぼること、約4年前。全く同じ現象が起こりました。祖母が自宅で大量出血して、救急車で運ばれたときでした。当時、わたしは都内で働いておりまして、この着信履歴で「こんな間隔で電話してくるなんて、なにかおかしい」そう感じました。

結局、この着信履歴と言動から認知症と確定させたわけです。あれから4年、変な時間に電話がなることはあっても、数分おきという短い間隔で電話してくることはありませんでした。

理由を考えてみたのですが、おそらくテレビで繰り返し放送されている「熊本の大地震」これが原因じゃないかと、推測しています。

くどひろ
ん?なに?なんかあったぁ?(平然を装う)
ひろに用があったのよ・・・・・あれ?なんの用だったっけ?
くどひろ
まっ、いいか。なんかあったら、また電話してー

折り返したときには、用件は忘れていました。地震の映像をみて強い不安があったんでしょう。テレビ見る → 不安で電話する → またテレビを見る → また不安で電話する この繰り返しです。ひょっとしたら、東京は大丈夫かという電話かもしれません。

先週、帰京したばかりです。ゴールデンウィークは激混みで帰省しないので、また今週帰ります。タイミングとしては偶然ですが、よかったと思っています。

盛岡に居て思うことは、未だに東日本大震災の余震が多いということです。1週間滞在したら、1回は地震があるそんな感覚です。家が古いので、震度2くらいでもガタガタうるさいです。

熊本地震の被害状況をテレビでずっとやっているので、「東日本大震災」を何度も思い出しているんじゃないかと。2011年当時の記憶があまりない母ですが、あの地震だけはニュースを見るたび思い出しています。

4月の帰省は、いつもと違う

この時期の帰省が楽しいのは、桜が二度楽しめるということです。東京はすでに桜が散っていますが、盛岡はそろそろ満開なはず。終わったはずの桜が、再び盛岡で楽しめるというのは、ちょっと得した気分になります。

今回は病院へ連れて行って、ついでに桜を見に行こうかと思っています。大量の着信履歴はやっぱりドキッとするので、出来る限り1回で電話を取るように心がけます。

今日もしれっと、しれっと。


【2024年講演会予定】
10/19(土)宮崎県えびの市 → 講演の詳細・お申込みはこちら

にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

こんにちは。
私の母も何か不安な事があると何回か電話があり、電話をとれなくて、
折り返したら、用件を忘れてる事が多いです。
私の母は電話をとって、用件を話しても何回か同じ用件で電話してくる事が多いです。
不安な気持ちは分かるのですが、朝の一番忙しい時にかかってくると、はぁ‥ってなってしまいます。

ayako092031さま

コメントありがとうございます!

うちも用件を伝えても、何回か同じ用件で電話してきます。

4年前の自分もはぁ・・・でしたが、今はやさしく対応できるようになりました。自分の場合はやはり、働き方を変えたことが大きいと思います。余裕をもってゆっくり対応してあげることで、以前よりも回数は減りました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか