一般的な月平均の介護費用はいくら?わが家との比較の結果

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我が家の1か月の介護費用を計算しました。うちは在宅介護で、遠距離介護です。母(71歳)は認知症とシャルコー・マリー・トゥース病で、要介護1です。

No.科目費用(円)
1遠距離介護交通費
(新幹線・バス)
36,600
2お薬代
(フェルガードB)
7,800
3ヘルパーさん
(買いもの・ゴミ捨て)
2,500
4訪問リハビリ
(シャルコーマリー病)
2,500
5レンタカー
(通院のため)
2,500
6訪問看護
(服薬管理)
800
7病院代
(認知症)
120
合計52,820

合計で1か月53,000円かかってます。

これが高いのか安いのかさっぱり分かりませんよね?

家計経済研究所が発表している 「在宅介護にかかる費用」 は、1か月平均で69,000円です。これには訪問ヘルパー、デイサービス、医療費、おむつ代などが含まれています。

同研究所の 「認知症の状態別にみた費用」 もありまして、認知症軽度の方で1か月平均28,000円~67,000円、中度の方がなぜか少なくて29,000円~59,000円、高度の方が57,000円~126,000円という結果です。

毎月69,000円の負担というのは、なかなか大きい金額です。介護者自身が負担されているケースも多いので、家計を圧迫する金額としては十分な額です。支出が増えるのは当たり前ですが、介護に時間を取られて収入が減ってしまうというケースも多いです。

在宅介護ではない、介護施設を利用している方はこの額ではすみません。また認知症の例にもあるとおり、一般的には介護度が上がるほどかかる費用は増えていきます。

我が家のちょっと変わった?介護費用事情を、もうちょっと詳しく説明します。

介護者は1円も払わずに国民年金だけでも成り立つ

母は厚生年金はもらってなくて、国民年金のみです。親の介護費用は親のお金でまかなうのが、うちの方針です。(自分たちの生活設計がやはり大切ですよね?)上の表に関して、わたしは1円も払っていません。ただ、一緒に生活する時の食費は払いますし、食事をごちそうしたりはします。

上記表には食費は入ってないので、年金はほとんど残りません。何で補てんしているかというと、実は別居中の父から3万円もらってます。

母が認知症になる前からもらっているのですが、今となっては助かってます。それでも足りない場合は、祖母の遺産で補てんしています。生前、1円も生活費を家に入れないという謎な祖母でしたが、今頃になって生活費を払ってもらっている感じです。

介護資金をプランしなさい!と先日の遠距離介護セミナーで言われましたが、本当にそうです。もうすぐ遠距離介護をして3年目に突入しますが、これから10年先の事も考えてプランを作ってます。

介護費用の使い方のメリハリ

まずは節約の部分から。新幹線はネット割引を使って、30%から35%offでチケットを購入しています。年間20往復近くするので、年間では12万円の節約になっています。また車は所有せず、格安レンタカー(12時間で2,500円)を借りて通院に使っています。

新幹線は安い分各駅になるので、1時間余計にかかってしまいます。格安レンタカーは、走行距離13万kmのボロボロ日産マーチですが、走ればいいです。自動車税を払わなくて済むのと、ガソリンも走った分だけです。

逆に思いっきり使っているのは、やはり交通費です。わたしの中では、交通費 = 医療費(介護施設費)と考えています。介護施設に入居すれば、月12万くらいは覚悟が必要です。 (ちなみに母とはエンディングノートを作成済で、どうにもならなくなったら施設を本人が希望してます)

わたしが通う事で、認知症の進行は遅れていると思ってます。息子が帰ってくれば、会話も増えます。料理を作らないといけないし、洗濯も掃除もしないといけません。

今交通費をかけることで、介護施設に入居する時期を遅らせる事ができていると考えています。月12万円の介護施設費が、交通費わずか月36,000円で済んでいるという発想です。

介護費用に関しては、祖母の成年後見人をやった経験からか、細かく管理するくせがつきました。裁判所は祖母の財産を守るというスタンスなので、わたしがムダ使いしようものなら、「それはダメです」 ってクールに言われます(笑)

家族が悪用するニュースが本当に多いので、裁判所も厳しいんですよね。Excelでこんな感じで介護費用を管理してまして、完全にシンプル家計簿です。これを家庭裁判所に言われたら提出しますが、レシートもきっちり保管してました。

成年後見家計簿

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか