ケアプランに「通院介助」を組み込んでおくと、介護がラクになる!

遠距離介護をしている方だと、

「病院に連れて行きたいけど、どうしてもその日は付き添いができない!」

ってこと、よくありますよね?

祖母が亡くなるまでは頻繁に地方都市へ帰省していたので、わたしの帰省に合わせて病院へ連れて行くということをしていました。祖母が亡くなってから、帰省頻度を減らしたので、どうしても病院へ連れていけない日が出てきました。母は、

1.シャルコー・マリー・トゥース病で歩くのが不自由なため、移動時に介助が必要
2.軽度の認知症なので、病院の次回予約などを介助してもらわないと忘れる

という問題があり、早速ケアマネージャーさんに相談して、つい先日ケアプランの中に 「通院介助」 を加えてもらいました。特に遠距離介護で病院まで付き添いができない方は、このケアプランをひとつ入れておくだけで介護負担がかなり減ります。

ヘルパーさんが行うこと

1.ヘルパーさんがタクシーを呼んで、
2.ヘルパーさんと一緒に病院まで行き、
3.ヘルパーさんが診察室まで連れて行って
4.ヘルパーさんがタクシーで自宅まで連れて帰る

という行程を踏みます。3.だけが介護保険でカバーできずに、自費負担になります。本当はヘルパーさんの車で連れて行ってよ~って思いますが、公共の交通機関を利用するというのがルールなので、うちはタクシーを使います。

診察室に連れて行くのも、介護保険で・・とは思いますが。3.については、病院はあくまで医療保険の区域であり、介護保険の対象外であるためです。医療保険や介護保険の境目という感覚は、介護しながら身についていきます。わたしも最初はよく分からなかったんですが、祖母がデイサービスから入院に切り替わった時に、ケアマネさんが担当から外れたのを見て、

「医療保険と介護保険の境目って、こういうことなんだ~」

って思いました。

うちの場合だと、わたしが病院まで連れて行くと、遠距離介護ということもあって1回2万以上はかかります。(ほとんどが新幹線代ですが) しかし、ヘルパーさんにお願いする場合は、5千円程度で4分の1で済みます。

交通費という費用の問題、時間的な制約を考えて、使う使わないに関わらず

ヘルパーさんに 「通院介助」 をお願いするという選択肢を、ケアプランに組み入れておく

これは遠距離介護でなくても、別居で介護をしている人すべてにお薦めです。通院頻度が多い人は、特にお薦めです。訪問診療が選択できる環境にあるならば、それも選択肢として入れておくべきです。

難しいのは「認知症の治療」の場合

わたしはこのケアプランを利用するのは、

「認知症の診断以外」

を基本としています。歯医者で1回利用しましたが、今後も基本は歯医者とか怪我とか、認知症以外で利用していきます。

というのも、認知症の治療の場合、先生との会話がとても重要になります。常日頃、認知症の母の言動を理解しているのは、家族のわたししかいないためです。どうしてもタイミングが合わない場合は、気になった症状や言動をレポートにして、ヘルパーさんに渡します。

介護はひとりで頑張らない! というのをわたしは基本にしています。

頼れるものは頼り、使えるものは使う!

遠距離介護をしていると、制約はものすごく多いです。決して悪い事ではないので、積極的に活用してみてください!

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか