2021年9月29日、東京・品川駅そばにあるソニーグループ本社(2021年に社名がソニーからソニーグループに変更)で、介護の講演会と懇親会をオンラインで開催しました。
Diversity week2021のイベントのひとつで、Diversity weekとはジェンダー、LGBTQ、障がい、介護、子育てなどの両立支援、多様な価値観や共感力についてセミナーやイベントが社内で実施されていて、そこで登壇しました。
いつもの介護の講演会とはちょっと違っていたので、そのあたりのお話をします。
企業からの講演依頼はいつも人事部から
企業からの講演依頼は、ほぼ100%人事部(HR)からです。
人事部が自社社員に対して、仕事と介護の両立をするにはどうしたらいいか? 認知症介護って、どんな感じ? など、それぞれ企業が抱える課題に合わせた依頼が来ます。
でも今回は、人事部からではなくDIVI@SONYというプロジェクトからの依頼でした。社員の目線で課題を見つけ、自らが解決するために活動しているソニーグループを横断する社長直轄プロジェクトです。
人事主催の研修に対して、興味を持たない社員もいます。そういった中、社員自らが講師を探してオファーするこの能動的な活動が、めちゃめちゃ面白いですよね。そして、たくさんの講師の中から、わたしを見つけてくださり、講演の機会を頂きました。
わたしも会社員時代は、人事が研修やってるな、忙しいからあとで。ぐらいの見方をしていた時期もありました。しかしある日を境に、研修に前のめりに参加するようになりました。冷静に考えると、目の前の仕事以上に、人生にとって大切なものが研修から得られると気づいたからです。
企業講演会と自治体の講演会、どっちが話しやすい?
企業からの依頼と、市区町村からの依頼で行う講演会、どちらが話しやすい、講演しやすいと思いますか?
答えは断然、企業からのご依頼です。理由は、参加者の世代が限定されるからです。例えば、介護と仕事の両立のテーマを市や区で開催すると、極端に言えば10代~80代まで集まります。おそらく「介護」という言葉だけで、参加されるためです。
最初はビックリして檀上でフリーズしそうになったのですが、毎回そうなるので、幅広い世代の方が参加される前提で、講演内容を組み立てるようになりました。
企業の場合、だいたい30代~60代が中心で、20代も参加されます。世代が分かっているので、内容を絞れます。しかも、ビジネスパーソンの皆さんなので、横文字を遠慮せず使えます。
どんな講演を行った?
今回は、いつもなら数分しか話さないガジェットを使った介護の話を長めにしました。
本当はこうした講演をもっとやりたいのですが、世代によってはガジェットはキョトンとされる話題です。インターネット? 見守りカメラ? ってなります。ITリテラシーの高いソニーグループの皆さんなので、このリクエストを頂けて、めちゃくちゃ気合いが入りました。
さらに講演前にたくさんの質問を頂きまして、全部は対応できませんでしたが、講演の中に質問の答えになるもの、ヒント、気づきを入れる形にしました。
オンライン講演のならではの難しさがあったのですが、プロジェクトメンバーの皆さんの完璧なセッティングのおかげで、とてもとてもやりやすい環境でした。
参加者アンケートの結果は公表しませんが、喜んで頂けて本当に良かったです。カメラ目線でひたすら話したのですが、オンラインでは雰囲気や熱量が伝わっていないのでは? という不安がありました。でも、オンラインでもしっかり伝わってました。これは驚きでした。
業績絶好調のソニーグループさんのような会社が多くあるといいのですが、新型コロナウイルスの影響で、社内研修の優先順位が大きく変化しています。第二次ベビーブーム世代が介護に突入する時期がまさに今で、企業も社員の介護について考えるべき時期に来ています。
ところが優先順位は、コロナからの事業の立て直し、事業の軌道修正が優先されてます。こういうとき、研修系の予算はカットされがちなのです。わたしの企業講演も、だいぶなくなりました。
企業規模に関わらず介護に理解のある会社は存在しますが、社員自らが能動的に動くこの介護プロジェクトが他社でも広がればと本当に思いました。ご参加ありがとうございました!
音声配信voicyの最新回は、介護で困っている方の助け方のいろいろのお話です↓
今日もしれっと、しれっと。
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