会社員経験が介護に役立つと感じた2つの瞬間

わたしは40歳まで会社員でしたが、介護をやっていてあの時のあの経験が今でも役立っているなと感じることがあります。その2つの瞬間をご紹介します。

調整能力が役に立つ

仕事を前に進めるとき、社内の他部署と連携を取らなくてはなりません。

例えば、ある商品を会社として売り出したいと思えば、開発担当はいい商品を作り、仕入れ担当は発注数量を増やし、マーケティング部署には告知のお願いをして、お店の入口付近に展開してもらうよう、店側の担当とも話し合います。

しかし、必ずしも部署同士が仲がいいとは限りません。マーケティング部門のマネージャーは癖があるとか、仕入れ担当は弱気の発注をするとか、部署を統括するマネージャーとしては調整が大切になります。

こういった社内調整は死ぬほどやってきましたが、それに比べると介護はシンプルかもしれません。何せケアマネさんという最強の窓口がいるので、ラクです。(いいケアマネさんの場合)

まずはケアマネさんや包括の窓口との調整を押さえて、そのあとでデイや訪問看護、リハなどとうまくコミュニケーションをとります。

会社員経験は、介護になっても本当に役立ちます。

ストレス耐性が役に立つ

会社で仕事をしていると、ビックリするような角度から思いもよらない横やりが入ります。

シンプルに仕事に関する横やりならば耐えられるのですが、時には信じられない行動をする人もいます。そんなときでも、明日急に辞表を出して会社は辞められず、何か月、あるいは何年とそのストレスの元と対峙していかなければなりません。

そういう人は複数人いる場合もあるので、会社で培ったストレス耐性が介護にも役に立ちます。介護の場合は、お世話すべき人が決まっていて、その人をサポートする思いが基本になるので、誰かを蹴落とそうとかはありません。

会社の人間関係のストレスは、相手が超元気なだけにたちが悪く、魑魅魍魎とした人々を相手にしていると、次第にストレス耐性が身に付きます。

ちなみにどんな職場の仲間よりも、親族のほうが手ごわいわ!って方もいるでしょうね。親族は会社と違って、転職して縁を切れるわけではないので、変な親戚は本当にやっかいです。

会社員時代の変なストレスに比べれば、介護のストレスはドロッとしてない分、楽だなぁとわたしは感じてしまいます。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか