たかはたゆきこさん「きょうだい介護おやこ介護」を読むと、介護の発想が大きく変わる!

きょうだい介護おやこ介護

クフ王のピラミッドに向かって、ジャリジャリでガタガタの砂漠の上を車イスで進む・・・このエジプト旅行へ行ったのは、世界ふしぎ発見が大好きな重度障害をもつU子さん、そしてお姉さんのだださんです。

「猫とビターチョコレート(旧:在宅介護しながらウィーンへ行くブログ)」 を運営しているだださんは、下記写真のとおり4000近くある介護ブログ人気ランキングで2位というお方。

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そんなだださんが、 「きょうだい介護おやこ介護」 を2015/06/28に出版されました!

きょうだい介護おやこ介護

ある日、U子さんの介護を続けてきたバイオリン弾きのパワフルポジティブお母さんが脳出血で突然倒れ、高次脳機能障害が残り要介護5に。

だださんはU子さんとお母さんの両方を介護することになります。U子さんを連れてエジプトまで行くチャレンジ精神がすごい!とつい思ってしまうんですが、わたしの言葉でいうと ”しれっと” 、それは介護や生き方においてもです。

いろんな条件下にあっても、ごくごく普通の、至って普通の生活を目指す・・・気負うことなく、前向きに生活している・・・わたしの言葉だと、「しれっと」 と表現したくなります。

あの文章のトーンが、介護の大変さをどこかへ追いやってます。新幹線で読んだわたしは、何度もクスッと笑ってしまいました。あの笑いのセンスはどこから来るんだろう、少し分けてほしいって思いました。

レインドロップ

「オシッコひっかけられちゃった」っていうより「レインドロップがふりそそぐ」っていうほうが、気分が楽でしょう?雨だとおもえば情けなくも恥ずかしくも汚くもない

おかあさんの下の世話の一場面。音楽好きのお母さんがショパンの曲みたいと喜びます。いやいや下の世話をする人も多い中、発想ひとつでこういうお世話もできるという一例です。

先日失禁した母がフローリングを濡らした日、わたしが全くダメージがなかった理由が分かった気がしました。ダメージは行為からくるのではなく、本人の気持ちから来るんだなと。だださんも 「失禁して謝る母の姿を見るのが辛い」 と本の中で言ってます。

発想ひとつで、こんなに介護に対する考えが変わるんだ!そんな気づきを多く与えてくれる本です。

本を読んでなにを感じ取るか?

お母さんと妹さんの介護を、施設で行うか在宅で行うか という決断を何度とされているだださん。その葛藤と決断に至るまでの経緯は、まだ体感してない人は読んでおくべきです。介護者ならば、誰もが通る道です。

だださんの30年以上にもわたる介護や大変さは想像をはるかに超えるものですが、介護は比較するものではないとわたしは思っています。

こういった体験談を読みながら、自分の介護に置き換えて、どうやって取り入れてラクになれるか、自分自身を守れるかと考えることが大切だといつも思います。

こんな中、お父さんの第一目標がまさかの 「毎日パンツを替える」(笑) 何一つやってこなかったお父さんの成長っぷりも、面白いし笑えます。こういう文章が書けるようになりたい・・・

Kindleで450円発売中で、スマホやPCでも読めます。だださんのブログはこちらです。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか