

そういって玄関の戸を閉めると、近くの別の扉から母がひょっこり顔を出して見送ってくれる。
少し歩いて振り返ると、母はまだ手を振っている。
あの純粋な笑顔を見せられると、なんとも言えない気持ちにいつもなる。
見えなくなったあと、盛岡駅行きのバス停まで雪道をただ歩く。
43歳にもなって、ホームシック?いい歳して、なんだろう・・・
でもこの感覚、どこかで感じたことがあるような?
そういえば小学校の頃、こうやって見送ってもらってた。
あのころの気持ちがよみがえってくるから、なんとも言えない気持ちになるんだ。
★★
1週間、母と一緒に生活をする。
ずっと笑って過ごす週もあれば、つい言い過ぎてしまってケンカ一歩手前までヒートアップする日もある。
母の妄想がネガティブで飛躍し過ぎると、つい真っ向否定してしまう。何度かやり過ごしても、5日目ぐらいにはがっつり否定して、怒らせてしまう。
いろんなことがあって、東京へ帰る日の朝。朝食を食べると、だいたいこういう会話になる。




1週間いろんなことがあっても、すべてを忘れ、見送りのときは子育てしていたころの母に戻る。
認知症じゃなかったら、多少のわだかまりが残ってしまって、純粋に笑って見送れないはず。
これが認知症のいいところでもあるよな・・・、遠距離介護だからこういう思いにもなるんだ・・・
何回帰省しても、毎回こういう思いに不思議となります。たぶん恵まれているんだよな・・・とも思います。解放感と妙な寂しい感じが入り混じるバス停までの道のりを、スマホメモで書き残したやつをそのままアップしてみました。
今日もしれっと、しれっと。

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