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認知症の母の白内障手術直後から徹夜で眼帯を死守した話

認知症の母(79歳)の白内障手術(右眼)が終わりました!今週、左眼の手術があります。

眼科によって術後管理は違うと思いますが、白内障の手術をしたことすらすぐに忘れてしまうレベルまで認知症が進行した母の術後管理は、相当厳しいものでした。

白内障の手術は成功

12時から始まった白内障の手術自体は5分~10分で終わり、手術前後の点滴や目薬などの管理で結局2時間ほどかかりました。わたしは待合室で待っているだけで、何もしていません。

わたしと離れた瞬間から母は、何をやっているのか全く分かっていなかったと思います。ただ温厚な性格で暴れないので、手術中も動かなかったようです。看護師さんには、認知症だけど継続して声掛けをすれば大丈夫と伝えました。

14時に手術を終えた母は、右眼に眼帯と透明眼帯(プラスチックのカバー)をして出てきました。その段階ですでに、自分がどこにいて何をしたのかを覚えてません。スマホのインカメラで母を映し、眼帯をしていることを認識してもらいました。

日帰り手術なので自宅までタクシーで帰ったのですが、目に違和感があるのかすぐに眼帯を触ります。「さわっちゃダメ!」の1回目がタクシーの中で、ここから翌朝9時の通院までの19時間ずっと「さわっちゃダメ!」を言い続けました。じゃないと母は眼帯を外してしまいます。

透明眼帯をテープで止めていたのですが、そのテープがかゆいようなのです。テープがかゆい、認知症で手術を覚えていない、眼帯の意味も分からないので、私が目を離した隙に眼帯を外しにかかります。福岡のみやざき眼科さんのブログを引用します。

白内障の手術の傷は2mm程度ととても小さく、本来は眼帯をしなくてもほぼ大丈夫です。ただ、術後麻酔が切れると、少し違和感や軽い痛み、ゴロゴロした感じがあるため、特に就寝時などに無意識に目を触ったり、こすったりすることで傷が開く可能性がわずかに有り得るため、一晩眼帯をしていただいております。

引用元:https://miyazakiganka.net/blog/blog-doctor/1347/

眼帯が多少外れるくらいは大丈夫とあとで分かったのですが、わたしの予想してない行動を日頃からするので、念には念を入れて19時間も母を見続けました。

一瞬たりとも目が離せない母

19時間「さわっちゃダメ!」を言い続けるのは本当に過酷で、最初の2時間で40回も注意したとき、このままでは自分がもたないと思いました。

目を離せないので風呂は入らず、トイレに行くのも母がうたた寝モードに入った隙を狙って、そっと行ってすぐ戻ってきました。夕食の準備も、目線は常に母。台所に背を向けながら、レトルトカレーを母を見ながらごはんにかけました。あとは居間に歯ブラシなど、必要なものすべて置いて常に一緒の状態を続けました。

母の前に鏡を置き、あなたは眼帯をしているんだよ、今日手術したんだよと分からせる工夫もしました。効果はあまりなかったのですが、それでもわたしの声掛けの回数を1割程度減らしてくれたと思います。

母の手元と1m先に鏡を置き、自分の姿を見せつつ注意喚起

最も危険な瞬間は、寝起きです。目が覚めるたびに眼帯を外し、目をこすろうとするのです。これでは満足に寝られません。わたしは会社員時代から徹夜をしない主義でずっと来ているのですが、まさか50歳になって徹夜するとは思ってもいませんでした。

眠気が襲ってくると思いきや、寝ながら何回も眼帯を取ろうとするので、緊張感が続いて目がギンギンでした。ただそんな異常な状態だったので、介護者としても異常モードに。口調がどんどん厳しくなっていき、しまいには本当に手が出てしまうんじゃないかって思ったくらいです。

右眼の眼帯に手がいくので、それをサッとつかむ。何十回と繰り返されると力も次第に強くなっていき、非常に危険でした。睡眠不足から介護虐待が起こる瞬間を、疑似体験した感じです。

眼帯が外れたあとの介護も余韻があってよろしくなく、過去最高にケンカが絶えない状態が今も続いています。それもこれも手術の傷を広げないようにするためで、こっちも必死でした。

認知症が進行した人の白内障手術は、術後のこんな大変さがあります。これは絶対にマネして欲しくないから、認知症で白内障だったら早めの手術をオススメします。

次回の左眼の手術に備える

翌朝9時に病院へ行って、眼帯を外してもらったときの解放感たるや。マジで厳しい介護でした。あまりに大変だったので、眼科の医師や看護師さんに相談しました。

眼帯はちょっとぐらい外しても問題ないし、目をこすらなければ大丈夫とのことでした。なので左眼のときは右眼よりも緩めに対応しますが、結局もう1晩徹夜します。言って伝わる母ではないので。そして今は、目薬地獄の毎日です。

術後の右眼は、3種類の目薬×1日4回で12回。3種類の目薬は5分おいてからさすので、1回15分くらいかかります。左眼は、術前の目薬1種類を1日4回と緑内障の目薬を1日1回。

1日17滴、4種類の目薬を右と左で打ち分けつつ、さらに飲み薬も1日3回になってます。朝、昼、夜、寝る前で、かなり面倒です。間違いそうになります。さらに週2~3回の通院もあって、タクシー代もそこそこかかってます。

もし認知症でなければ、目薬の管理は全部親自身でやりますよね。自分で目薬の管理ができるうちに手術はしたほうがいいかもです、それでも入院するよりはいいので、目薬地獄に耐えます。

徹夜明けの次の日もやることがあったので、軽く昼寝して、その夜は久しぶりに爆睡しました。白内障の術後管理は、10年の介護苦労ランキング2位にしたいと思います。1位は音声配信voicyの生放送でだけ話した、アレです。

音声配信voicyの最新回は、メール送信のタイミングの話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離「在宅」介護を、10年以上続けられている理由のひとつが道具です。わたしが使ってきた道具を中心に、介護保険の杖や介護ベッドなど福祉用具も含め、介護者の皆さんがラクになる環境を実現するための本になっています。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

くどひろさん、こんにちは。
今回も参考になる内容、ありがとうございました。何回もおなじことを言って、自分がおかしくなりそう…わかります。

ねーさんさま

睡眠不足も拍車をかけた感じです。少しは優しくなれてきたのですが、また今週の左眼の手術でドカーンと爆発する予感です。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて11年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか