訪問介護の時間効率化のために家族ができること

先日、予期してないタイミングでヘルパーさんの事業所が変更になった話を書きました。

認知症が進行した母は、自分ではちゃんとできていると思っていても、誰かがメンテナンスをしないと家の中がめちゃめちゃになります。

NHKで何度かわが家の状況が全国に流れたとき、くどひろさんの家はキレイにしているって声が多かったのですが、パッと見がキレイなだけで見えないところはひどいものです。冷蔵庫の中に生ごみ、食器棚の中はぐちゃぐちゃ、タンスの中には汚れた下着が入っています。

母は家をキレイにしている=ひとりで生活できていると錯覚していて、自信やプライドがあることはいいので、基本は母の好きにやってもらってあとで修正する毎日です。

ヘルパーさんの滞在は1時間で、時間があるように思うかもしれませんが、思っているほど時間はありません。なので家族ができることは、カバーするようにしています。

訪問介護の時間を効率化するためにやっていること

ヘルパーさんにこういうのやってますみたいな話をしたことはないのですが、わたしの中で特に意識しているのが買い物です。

ヘルパーさんがスーパーへ行って買って戻ってくるまで時間がかかるので、遠距離介護という事情から生ものだけは管理できませんが、下記のものは在庫を切らさないよう意識してます。

米はヘルパーさんにお願いしても問題のないものですが、車での移動とはいえ重いし、雪道で転倒したら大変だなと思って、わたしが買いに行くようにしています。5kgの米をかついで雪道の中を歩くのは大変ですが、筋トレの一環と考えてやってます。

調味料

調味料もストックするようにしています。認知症の母にはずっと同じ銘柄がよく、仮にヘルパーさんが違う調味料を買ってくると、母が混乱したり下手すると直接飲んだりする可能性もあるので、ずっと同じものをキープするためにわたしが購入してます。

日用品

食品以外の日用品、食器用洗剤、ゴミ袋、ポータブルトイレの処理袋、トイレットペーパー、トイレクイックルなどは、ないと困りますが在庫管理は難しいと思っているので、わたしが帰省したときにいつもまとめて買うようにしています。

ヘルパーさんは料理、ポータブルトイレの掃除と処理、洗濯、デイの準備や送り出し、これに加えて買い物の日もあります。記事に挙げたものがないと、さらに時間が足りなくなってしまうので、帰京前日に在庫がなかったら夜遅くでも買いに行くほどです。

で、今の悩みは洗濯です。

本当はエアコンのある暖かい部屋でずっと干せればいいのですが、母が洗濯物を見かけると濡れていてもハンガーから取って畳んでしまいます。夏なら生乾き臭のする衣服が完成するのですが、冬は濡れた状態の洗濯物が突然タンスから出てきて、びっくりします。

わたしが居るときは灯油ファンヒーターで部屋を暖め、母が手をつけない部屋で乾かすのですが、1時間しかいないヘルパーさんはできません。コインランドリーはわたしは行けるのですが、ヘルパーさんは時間がありません。乾燥機を買うべきか、今めちゃめちゃ悩んでます。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか