認知症の人が最期まで衰えない「能力」とは?

2013年最後の記事は、「認知症」 のお話です。

年末ということで、今まで勉強してきた認知症の本や録画していたテレビなどを見直していたのですが、2013年最後にふさわしいネタをまだ記事にしていないことに気づきました。

こんな研究結果が、あるそうです。

「去年発表された研究で、意外な事実が判明しました。進行したアルツハイマー病の患者さんに、「笑顔」「泣き顔」「驚いた顔」など様々な表情の写真を見せて、「この人はどんな気持ちか?」と聞いたんです。すると 「驚いた顔」 「怒った顔」 はあまり認識できませんでしたが、「笑顔」 は大部分の人が認識できました!

「認知症になると、他人の表情から気持ちを読み取る能力が低下してしまいます。しかし笑顔、つまり「相手が幸せか、幸せでないか」を読み取る能力は最後まで衰えないことがわかってきました。介護する人が疲れたり、精神的に追い詰められたりして笑顔になれなくなってしまうと、介護される人もそれを感じて不安になってしまうことが考えられます。

これはNHKためしてガッテンで2010年9月に放送されたものですが、この話はわたしも実体験としてあります。

訪問看護師さんの笑顔を忘れない

認知症の母(70歳)がお世話になっている病院から2週間に1回、看護師さんが家に来ます。ヘルパーさんは週2回来ます。みなさんとても素晴らしい方々なのですが、ひとつ不思議なことがあります。

「週2回くるヘルパーさんとの会話は忘れるのに、看護師さんとの事は覚えている」

最初は、

「なぜ会う頻度が多いヘルパーさんの事は忘れ、たまに会う人のことを覚えているのか?」

と不思議だったんですが、改めてためしてガッテンの内容を見て、納得。看護師さんはいつも 「笑顔」 なんですよね。 ヘルパーさんももちろん 「笑顔」 なんですが、看護師さんはもっと 「笑顔」。母はこういいます。「看護師さん、自然な笑顔なんだよね~」

「笑顔」 の違いを判別できるんでしょうか??亡くなった認知症の祖母は やや高度 な認知症だったのですが、それでもわたしの 「笑顔」 は理解していました。確かに最期まで、「笑顔」 を理解していました。

わたしの場合は生まれつき 「笑顔」 でして、結構得してます。なんかいつも笑ってるよね? とよく言われます。そんなつもりはないんですが、認知症の介護にもプラスに働きそうです。

介護で疲れてしまった方!認知症の人は、「あなたの介護疲れ」 見抜いてます。

元記事: 認知症!介護の新技で症状が劇的に改善する (ためしてガッテン)


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか