認知症になるとなぜ頑固になるのか?分かった!

認知症の母(70歳)は最近、頑固者っぷりが加速しています・・・(泣) 例えば、

1.17時40分に夕食を食べると、翌朝気持ちよく朝食が食べられる
→ あまりに夕食時間が早く、お腹が空いて夜中目覚める

2.ひとり暮らしでもご飯は一度に3合炊かないと、おいしく炊けない
→ 炊きたてが食べられず、パサパサごはんが数日続く

3.お掃除する時は、家中の窓を開けないとほこりが逃げていかない(なぜか薄着で)
→ 真冬ですが、掃除が終わるのを傍観しています。そして薄着のため、いつも風邪ひいてます。

他にも 「自分が正しいと思う」 生活習慣は、数知れず。「説得や否定」 はこだわりをさらに強めるため、それに従うしかありません。

「せめて ”頑固さ” の理由や背景が分かれば、すっきりするんだけどなぁ~」

と思い、このブログでもおなじみの 川崎幸クリニック院長・杉山孝博先生 の新刊 「認知症の9大法則 50症状と対応策」 を何気なく読んでいたら、回答を見つけました!「デイサービスに行きたがりません」 という項目に、その一文はありました。

高齢者はただでさえ、加齢により脳内のエネルギーが不足するため頑固になりやすいのですが、認知症が加わるとその傾向がいっそう強くなります。

ここで疑問がまた湧きます。

「加齢による脳内エネルギーの不足ってなんだ?」

この回答が思わぬところにありました、ビジネスマンがよく読むダイヤモンド・オンラインの記事 「頑固オヤジの原因は脳にあった!?」を読むと、この疑問がさらにクリアになりました。一部抜粋しますと、

年齢を重ねるごとに、脳内のエネルギーが不足し、コミュニケーションのための努力が煩わしくなってきます。ときには、相手が発する情報によってみずからの脳の世界が崩されるような脅えさえ感じてしまう人もいます。

エネルギーを使い、煩わしさを感じるよりは、みずからの主観的な脳にこだわって“閉じた世界”にいたほうが楽で、心地がいいのです。自身が正しいと感じていればなおさら。そうなると、すべての努力を放棄してしまうのです。

”脳内信号が活発でないと、柔軟なコミニケーションはできないし、新しい発想は生まれない” んだそうです。結局、頑固オヤジの構造が加速したものが、認知症なんです。ここで思ったのが、

「人の意見を受け入れる柔軟さを失ったら、若くても頑固オヤジや頑固ママになる」

認知症の症状を調べているつもりが、自分の生き方や考え方について学ぶことになってしまいました(笑) 認知症の症状や対処法を勉強していると、たびたびこういう場面に遭遇します。

「認知症介護は人間修行」

って、よくブログに書くんですが、今回もまた人間修行させて頂きました!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか