新型コロナの影響で認知症介護の悩みの順位は変わりましたか?

ランキング

今、最も関心が高い出来事は、新型コロナウィルスだと思います。

日々の生活の中で、認知症介護に関する悩みがたくさんあっても、今は生命に関わる新型コロナに関する悩みのほうが、優先順位的に上位になっているのでは?と推測しています。

例えば、通常時に介護者が抱える悩みをランキングが、非常時の現在はこんな感じになっているかもしれません。

通常時の介護者の悩みランキング

  1. 認知症介護の悩み
  2. 人間関係の悩み
  3. 仕事の悩み
  4. お金の悩み

非常時の悩みランキング

  1. 新型コロナウィルス感染を防ぐための悩み
  2. 新型コロナウィルスによる介護施設、在宅介護での悩み
  3. 新型コロナウィルスによる仕事の悩み

まずは新型コロナウィルスに感染させないよう、手洗いやうがいをするように認知症の家族に促すことから始まって、マスクをしてもらったり、トイレットペーパー探しに奔走したりする方が多いと思います。

そして通常時とは違った介護保険サービスの使い方に、自分自身の介護スタイルを変えるよう迫られていると思いますし、そのことで自分の仕事を減らし、収入的にも厳しいご家庭もあるのではないでしょうか?

変わる価値観

東日本大震災の直後、多くの人が生き方や働き方など自分の価値観が揺さぶられ、新しい行動に移したときのようなことが、まさに今起ころうとしているのかもしれません。

認知症の家族が同じことを何度も言ったり、昼夜逆転したり、妄想を言ったりすることに苦悩するよりも、いかにして新型コロナウィルスから、認知症の家族を守ることが優先されている状況ではないでしょうか?

在宅で介護している方は、一生懸命自宅の除菌を頑張っているでしょうし、デイサービスが一時閉鎖している方は、自ら在宅介護の穴埋めをしているでしょう。施設に家族を預けている方は洗濯物のやりとり程度しかできない状況の中、会えないつらさを味わっているかもしれません。

この新型コロナウィルスが終息に向かう頃、改めて認知症介護との向き合い方も変わるかもしれません。認知症の家族が、この難局を生き抜いてくれて良かった。そんなふうに思うようになると、今まで見えていた認知症介護の景色が変わってしまうような気がします。

あの新型コロナのときの介護のつらさに比べれば、通常時の認知症介護なんて楽勝!そんなふうに、介護者として成長できればいいですね。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか