【認知症の母と臭いの元探し】
台所がなぜか臭うので掃除をする
1日目:台所のパイプ掃除
2日目:念入りに台所のシンク掃除
3日目:いつの物か分からない、ごはんと鮭が電子レンジの中に
いやぁ、鼻が曲がるくらい臭かった~— 工藤広伸(くどひろ) (@40kaigo) 2018年8月14日
母の生命線は、ずばり料理。
もし料理ができなくなってしまったら、きっと認知症の進行スピードは早まるものと思っている。
本当は数千とある母の頭の中のレパートリーを呼び起こし、刺激したいのだけど、これがなかなか難しい。
料理上手だった母のイメージの中では、ほとんどの料理を作ることができるが、実際はイメージとかけ離れている。
わたしも味付けまでは分からないので、答えようがない。
だから完成を黙って見守ることしかできないのだが、見守るとびっくりするような料理が出てくることがある。
例えば、ちらし寿司。
前はキレイな錦糸卵やかんぴょうが飾られた、絶品料理だった。
それが、白飯に何かを散らしたどんぶり飯が出てきて、少し寂しい気持ちになった。
例えば、みそ汁。
母のみそ汁はおふくろの味どころか、煮干しダシが強すぎて、魚臭いみそ汁になっている。
わたしは具だけ食べて、汁はほとんど飲んでいない。
そうやって作ることができないレパートリーを除外し続けた結果、残ったものが下記ぐらいになってしまった。
<朝食>
食パン、牛乳、目玉焼き or スクランブルエッグ、もやし炒め
<昼食>
ラーメン、日本そば、チャーハン
<夕食>
焼き魚(フライパンで焼けるもの)、ほうれん草のおひたし、肉じゃが、きんぴらごぼう、ゴールドブルー風、みそ汁
わたしは母と1週間一緒にいるのだが、レパートリーはこれだけなので、恐ろしいほどのヘビロテになってしまう。
それもつらいので、お刺身を買ってきたり、しゃぶしゃぶやすき焼き、カレーをわたしが作ることもある。
わたしが料理するメリットは、ヘビロテを回避できること、そして食器をきちんと洗う機会ができるということ。
母は目玉焼きを作ったフライパンを、そのまま食器棚にしまうことがある。
箸や皿も洗わずに戻したり、中途半端に洗って戻すことも日常茶飯事だ。
わたしが料理をすれば、それらはキレイに洗うのでリセットされる。
こんな状態でも料理を作り続けてもらうことで、認知症のお薬の役割を果たしていると信じている。
2作目の本「医者は知らない!認知症介護で倒れないための55の心得」でも登場する、母のオリジナル料理「ゴールドブルー風」をお盆中に作ってもらった。
記事タイトル下の写真が現物で、見た目的にはいつもと同じ。
うちに来るヘルパーさんや看護師さんに自慢げに言う母だったが、残念ながら味付けを忘れてしまったようだ。
にんじんグラッセっぽく見える付け合わせは、ただニンジンを煮ただけだった。
ホワイトソースの味付けも、何かを忘れている。
それでもピーク時の8割ぐらいの出来だったから、これでよしとしよう。
レパートリーが減ったことを悲しむのではなく、料理を作り続けられていることを楽しむという気持ちの工夫が一番大切だと思う。
残ったレパートリーたちは、それこそプロ野球でいうオールスターのラインナップみたいなもの。
よくぞ認知症と戦い、勝ち残ってくれた。ありがとう、もやし炒め。ありがとう、きんぴらごぼう。
そのうちわたしやヘルパーさんが料理を作る日が来るのだから、それまでは息子にご飯を作る親の役割を果たしてもらおう!
自立した生活を送ってもらう工夫、本当に大切です。
今日もしれっと、しれっと。
くどひろ 様
『ゴールドブルー風』という献立名を見て、山Pの顔を想像し読み進んで行ったら…コードブルーじゃなかったんですね…(>_<)失礼しました。
でも、ゴールドブルー風は美味しそうですね✨人参のオレンジ・肉のちょっと焦げた色・白いソース♥️料理を作れるお母様が羨ましいです。
私の母は認知症になって3年たち、一切何も作れなくなりました。それこそ料理上手な人でしたが台所に立つことはなく、私達姉妹が作っておいたものを自分が作ったと思い込んで食べて、洗い物だけはしている状態。(でも、洗い物も洗剤をつけてくれないのでヌルヌルしてますけど(泣))
工藤家のお母様がいつまでも料理を続けていけるように願っています(^^)
奈都さま
ゴールドブルー風は、今読むとそっちになりますよね。本当はコルドンブルーという料理なのですが、その名前はブログ読者の方から教えてもらいました。
ありがとうございます、かなりギリギリのところまで来ましたが、頑張って作ってもらうつもりです。