認知症の母のこだわりはいろいろあるのですが、最近スイッチが入ってしまったのが、ダイニングテーブルの汚れです。
家出する前の父、威勢のよかった祖母、料理上手な母、わたしと妹、家族5人でこのテーブルを囲み、食事をしていたこともあります。おそらくこのテーブルは買ってから40年以上経過しています。
誰も座ることのなくなったテーブルは、料理を一時的に置く場所として今も現役です。40年も使っていると、汚れが層のように重なり、ふきんでは落ちないほどになりました。
わが家への来客は訪問看護師さんやヘルパーさん、理学療法士さんぐらいしかいないのですが、「汚れたテーブルをお客さんに見られたら、恥ずかしい!」というスイッチが、母に入ってしまいました。
ある日帰省すると、テーブルの汚れを隠すために新聞紙が敷き詰めてありました。ダイニングテーブルに新聞紙を敷き詰めるほうが、よっぽど恥ずかしいのですが・・・
1日3回の食事の都度、「テーブルが汚い」と言い続ける母。さて、どうしましょう・・・
認知症の人のこだわりの対処法
初心に帰って、川崎幸クリニック院長・杉山孝博先生の認知症の人のこだわり対処法をおさらいします。
①こだわりの原因をみつけて対応する②そのままにする③第三者に登場してもらう④場面転換をする⑤地域の協力、理解を得る⑥一手だけ先手を打つ⑦本人の過去を知る⑧長期間は続かないと割り切る―という方法だ。
http://www.alzheimer.or.jp/?p=3380
わたしは最初②の「そのままにする」で、この難局を乗り越えようとしました。
難局というほどでもないと思われるかもしれませんが、1日に何度もテーブルのことを言われると、他の人から見ればどうってことないことでも、家族としてはすぐ「イラっと」スイッチが入りやすくなります。
そして⑧の「長期間は続かないと割り切る」ことも知っていたので、待ってみました。1日、1か月、3か月・・・あれ、止まらない。母は数年単位でこだわっているものも多いので、今回は割り切るのもダメでした。
やむを得ず①こだわりの原因をみつけて対応する を実行することにしました。テーブルの汚れが気になるのなら、汚れ自体を落としてしまえばいいと。
テーブルはもう古いので、多少傷がついてもとにかくキレイにすることを目的にしました。家にあった激落ちくんで、テーブルを磨いてみました。
すると・・・
40年分の汚れは難敵で、かなり力が必要でしたが、割とキレイになりました。1日では終わらなかったので、もうちょっとキレイになるまで頑張ってみたいと思います。
母に早速、キレイになったことを報告しました。
でた!お手柄泥棒!
そして後日、母は「なんかちょっとテーブルが白すぎてイヤね」と・・・どっちやねん!ちゅう話でした。
ここでブチギレするご家族もいると思いますが、もっと大変な在宅介護の場面はたくさんありますからね。笑い話にするくらいがちょうどいいです。
今日もしれっと、しれっと。
お手柄泥棒! わかりますぅ!
金品じゃなくて まぁ良かったと思いますが、それにしても 自分が現役で家事が出来ると思ってる って ありますよね
サカイゴさま
現役で家事ができていると、うちの母もずっと思ってますね。
ブログで講演の紹介、ありがとうございます!!
くどひろ 様
“お手柄泥棒“ 介護界の流行語大賞にノミネートしたいです(*^^*)
お母さんの現役心も、なんだか微笑ましくて、ホッコリしました(^.^)(-.-)(__)
匿名さま
ぜひノミネート、よろしくお願いします!
年末の受賞式に向けて、ダイエットします。