離れた親を見守るカメラ!スマカメ『CS-QR100F』を購入した理由

認知症 便利グッズ

スマカメなしでは、遠距離介護はできない!

わが家の見守りカメラとして、プラネックス社のスマカメ『CS-QR20』を使い始めたのが2015年。もうすぐ利用歴4年目になりますが、このモデルも在庫がなくなり次第終了という表示がAmazonに。

スマカメ自体の機能も進化しているし、遠距離介護の充実のためにもう1台カメラが欲しいとずっと思っていたのですが、つい最近新しく購入したが『CS-QR100F』(下の写真)です。わたしがAmazonで買った時の価格は、約7000円でした。

CS-QR100Fを開けると本体、ACアダプター、カメラを止めるネジが入っている
スマカメ
これが今なお現役のCS-QR20

新機種は厚みもなく、全体的にコンパクトになっています。それでいて画質も向上しているし、画角も広いのが特徴です。

スマカメを1台増設せざるを得なかった理由

認知症の母が過ごす場所は、居間、台所、そして寝室です。これら3か所に見守りカメラを設置すれば、母の行動はほぼ把握できます。

居間のカーテンが開いていれば、今日も生きていると分かります。お昼ご飯を食べていれば、安心します。夜コタツで寝て、風邪ひかないかを心配します。

いずれも、1回15秒くらいしか母を見ていません。あと、ヘルパーさんや訪問看護師さんが来たときは、全く見ていません。むしろ来て頂いているから安心なので、その時間は避けて母を見ています。

遠距離介護の軸となっているスマカメですが、2つ問題がありました。

ひとつは、インターネット回線が脆弱だったことです。昨年まではwimax2+を使っていたのですが、回線が安定せずスマカメが表示されないことがよくありました。

1日スマカメが使えない、2日使えないなんてこともあり、東京に居るわたしの不安は増幅。結局、光回線を自宅にひきました。これによってインターネット回線問題はクリアしました。

2つ目はスマカメをつないでいるコンセント問題です。母がコンセントを全部抜いてしまうことがあります。そうすると電話もインターネットも、当然スマカメも利用できなくなってしまいます。

スマカメ自体の問題ではなく、スマカメを使うための環境に問題があり、もう1台動かしておけば、母に何かあっても監視ができるということで、追加しました。

CS-QR100Fを選んだ理由

実はスマカメの利用は3台目で、途中でスマカメ180(180度の広角カメラ)を設置したこともありました。ところが使ってみると、180度の広角もいらないことが分かりました。

今回購入したモデルは広角が130度。これくらいが丁度いいのと、何より画質が向上しています。そしてこのモデルは、音声双方向があります。スマホから声をかけると、カメラから声が出ます。

母に緊急で何かを伝えたい時は、このスマカメを使うことになると思います。電話に出られなくとも、母に声だけ出してもらえればスマカメが声を拾って、スマホで音を聴くことができます。

右下の青ボタンをタップすると現れるマイク。スマホに話しかけると、カメラから声がでる

これを台所に設置しました。最初は冷蔵庫の上から、認知症のお薬カレンダーを映すように設置して、飲み忘れたら連絡するようにしようかと思いました。

ところが冷蔵庫のコンセントは単独で使うべし!という記事を見かけたので、冷蔵庫の設置とお薬管理は断念。台所で母が料理をする様子、デイサービスから帰ってきてうがいをする様子などを見ています。

みまもり検知を使えば、母がカメラ付近を横切ったとき、スマホに通知がきます。これで運用してみたのですが、そこまで細かく監視する必要がないのでOFFにしました。

スマカメのアプリで、カメラの切り替え可能が可能です。わたしと妹で、母の様子を居間、台所、居間、台所と切り替えながら、監視しています。

台所にあるドアホンモニターの上にカメラを設置

夜中3時の母の行動

実家ではわたしは2階、母は1階で寝ています。

母は夜中3時くらいに起きることが多いのですが、ほとんどは失禁です。トイレのドアの音でわたしは起きるので、枕元にあるスマホを、ふとんに潜りながら操作して、台所の様子をチェックします。

そうすると、お尻を出した母が、タオルで下半身を拭いたり、ズボンを洗濯機に入れたりしています。あまり見たくはないのですが・・・

母は軽く後始末をしてまた眠るので、わたしは翌朝、洗濯機の汚れものをチェック。尿パッドが入っている場合は、それを取り除きます。認知症の母は、汚れものを洗濯機に入れたこと自体を忘れているので、わたしが早朝からしれっと洗濯します。

そうすることで、母の中では失禁はなかったことになりますし、ムダに失禁してしまったと落ち込むこともありません。母が何も考えずに洗濯機をまわすと、吸水ポリマーが洗濯物に大量に付着して、地獄をみるのでその回避のためでもあります。

台所のスマカメ、早速大活躍です。コンセントを増設して、旧モデルと入れ替えたり、設置個所を変更したりしてみようと思います。

講演で全国各地に行ったとしても、どこからでも盛岡の家の居間、台所が見えるという安心感・・・スマカメ、ありがとう!

介護者の皆さんもわたしのスマホを見ると、みんな驚きます。こんなにキレイに映るの?これはライブなの?これなら安心ね! こういう反応がほとんどですし、すぐ購入される方もいます。

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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

3件のコメント

こんにちは。横浜の講演会行けそうです。風邪さえ引かなければ(^^;
webカメラうちも義母の時使ってました。今はもっといい感じですね。

新刊まだ読んでる途中なのですがお母さま、フットケアをされているようですがこれは
自費ですか?差し支えなければどのくらいかかるのか教えて頂ければ嬉しいです。

ケイさま

お申込みありがとうございます!そうなんですよね、風邪で当日キャンセルされる方もおりまして・・・

フットケアのところに注目して頂いて、うれしいです。本をよく読むと、最後の最後でわたしが追記したことが分かるのですが。

訪問フットケアは自費で、うちは1回8100円です。メインは足裏にあるタコをグラインダーで程よく削ってもらったあと、巻き爪にならないような爪切りをしてもらいます。タコの処理がメインではありますが、母は気持ちよさそうにしているので、マッサージに通っている感覚というか、リラクゼーションの一環のようなところもあります。足もカッサカサなので、大変助かっています。

くどひろ様
お返事ありがとうございます。大変参考になりました。私自身、爪の治療でフットケアに通っているのですが
母も似たような爪で訪問看護師さんだと一般的にどのくらいになるのかな~と思いました。
部位が違っても変わりますしね。
隣町の訪問看護師さんがお上手というので頼もうかと思っていたら
兄弟からまずはクリニックのお医者さんと言われてしまいました><
自費だけというのが納得できないようです。困ったものです^^;

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか