介護者が病気やケガになったときの対処法

マスクをして咳き込む女性

人気介護ブログ「猫とビターチョコレート」のだださんが、在宅介護者でありながらギックリ腰になったというツイートや記事を読んで、これは大変!と思いつつ、わたし自身も風邪の気配を感じておりました。

先週盛岡に着いて3日目くらいから、何かおかしい感じがしていたので、とりあえず市販の咳止めを飲みながら、普通の生活を送っておりました。母と妻のことが頭をよぎるので、絶対風邪をこじらせまい!と、いつも市販薬は相当早めに飲むタイプです。

しかし、咳止めは症状を先送りしているだけで、帰京する前日から悪化。75歳の母親には、絶対に風邪を移すわけにはいかないので、意味はないと思いながらも、咳をするときだけ部屋を移動するなどの対処法で凌ぎました。

わたしが風邪をひくと認知症の母はどうなる?

75歳という母の年齢からも、風邪をこじらせると大変です。

その面倒は自分が見ることになるので、ブーメランのように自分に返ってきます。他にも自分が風邪をひくと、母の対応が大変というのもあります。

あんた、風邪ひいたの?早く寝なさい、病院に行きなさい。薬はどうしたの?

わたしの心配を「何度も」します。

母親の気持ちはありがたい、でも弱った状態の激しいリピートは、わたしの体調をさらに悪化させることが過去の介護経験から分かっているので、どんなときも健康に振る舞う必要があります。これはこれで大変ですが・・・

新幹線で東京に戻って来た途端に、咳と熱が同時にやってきました。ブログで調べると、おそらく3年半ぶりの熱みたいです。

前なら都内でじっくり風邪を治せる環境にあったのですが、母以上に免疫のない妻が家にいます。こちらも風邪を移すわけにいかないので、意味ないけど外で咳をしたり、空気清浄機全開で2日間ひたすら寝たら治りました。

介護者が病気やケガになったときの対処法

都内からスマカメで母の様子を数日見ていたのですが、どうやら風邪を移さずに済んだ模様。訪問看護やリハビリで体温も測るため、連絡がないということはおそらく問題なし。妻も特に変化なかったので、被害が拡大せずに済みました。

冒頭のだださんの場合は、お母さまをショートステイにお願いするという方法を取っていました。ショート利用が困難で、医療管理が必要ならばレスパイト入院もあります。

うちの母の場合は、自力でなんとか生活ができます。そのためショートも使ってませんし、医療管理もいらないので、まずはわたしが意地でも帰京して、都内で静かなところで療養するのが第一選択です。もしわたしがギックリ腰になったら、入院させてもらえるならそうするかもしれません。

いずれにせよ、介護者がいつも健康とは限らないので、自分にもしものことがあった場合のバックアップは常に考えておかないといけないですね。あとは介護者が弱っていると、優しい認知症介護も難しい。弱っているときに同じこと何度も言われると、優しく対応できません。もう黙っててくれ・・ってなります。

ちなみにうちの場合は、妹にバックアップしてもらいます。わたしに何かあったら、まずは頼れるケアマネに何でも相談してと言ってあります。母のすべての意向はエンディングノートに書いてあります。介護保険サービスはもう整えてあるので、特に心配なことはないと思います。

デジタルデトックスもできたり、ちょうど予定のない時期に休めたので、いい休養となりました。でも、奥さんは来月から収入がなくなるので、自分が倒れると本当にやばいなぁ・・・

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

介護者の健康管理は本当に大切ですよね。特に単独で介護している人には共感ポイントかも。寝込まなくて良かったですね。

時折雪がチラつく中、昨日は盛岡に行ってました。
実は母の骨折の回復がイマイチで普段は車椅子を使っており、更に精神科の医師からは「もう1人暮らしは(精神的に)無理なので、施設に入れるよう考えてください」と先週宣告を受けたのです。また、母自身もネガティブモードに突入して、状況は芳しくありません。それでケアマネと相談し、今回急遽施設見学巡りをしてきました。母に報告して、その中から興味も持った施設に今度母を連れて見学に行く予定です。

そして「施設探し」カテゴリを再読し、太田差恵子さんの「高齢者施設〜」を早速読み参考にしています。コラム内で両親を別々の施設に預けた方のインビュー「『仕方ない』という言葉があるからやってこれた」という言葉が、私に刺さりました!
色々考え過ぎて、また自分自身を辛い状態にさせないよう、とにかく前を向いて頑張っていこうと思っています。
ダブルケアの大変な中でも前向きでユーモアのある、くどひろさんのブログに毎回励まされていますよ!

みーしえるさま

ありがとうございます!確かにダブルケアと言えばダブルケアですが、その意識あまりないかもしれません。

骨折が回復して、リハビリもしっかりできて、また歩くことでメンタルも回復できるという流れができるといいですよね。そのコラムのとこ、再読してみます。

はじめまして!86歳で要介護5の母を3年前からサポートしています。介護者の健康の大切さを最近身をもって痛感しました。先月はインフルエンザ。。。今月会社近くで転んで足の甲の横のところを骨折。。。骨折は悟られないよう気をつけて、普段通っているデイサービスを急遽変更し、ショートステイに10日ほど行ってもらいました。変化がダメで、くどひろさんがおっしゃるとおり、心配発言を繰り返しますね。それもまた大変。。完治にはまだ時間がかかりますが、動きでバレないようにいろいろと気を使いながら生活しています。

介護娘さま

インフルエンザに骨折・・・骨折を悟られないように動くって、本当に大変です!
心配はありがたくとも、too muchになると疲れますよね。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか