わたしは遠距離介護生活が始まってからというもの、母の日を意識しなくなった。介護が始まる前はむしろ、母の日を意識していたのだが・・・。(詳しくは下記関連記事を読んで欲しい)
母親を介護している人は、母の日にカーネーションをあげるのだろうか?それとも、わたしのように毎日が母の日みたいなものだから、しれっと過ごすのだろうか?
きみまろライブに母を連れて行こうと、何年も前から思っていた。
毎年ライブスケジュールをチェックしていたが、盛岡ではなく、岩手県内の他の市町村での開催だった。盛岡(県民会館)での開催は、2011年の東日本大震災直後以来だったらしい。
きみまろと同時にチェックしているのが、舟木一夫。
以前、舟木一夫のコンサートに母と行った話(下記、関連記事)をブログに書いたら、ファンの方がその記事を見つけ、記事リンクが掲示板に。親孝行な息子ということになってしまった。(自分は親孝行の意識はゼロ)
今の母は、認知症が進行して舟木一夫もきみまろも興味がなくなったみたいだが、それでもチケットを取った。
2月にチケットぴあで予約したのだが、盛岡のライブの日が「たまたま」母の日と重なっただけ。すぐ予約したにも関わらず、1階の後ろから3列目だった。
きみまろライブで感じたこと
2000人超満員だった岩手県民会館の大ホールに、おそらく初めて入ったのだけど、築50年近い会場は歩行介助が必要な母には、少々厳しい会場だった。
エレベーターもあったし、なんとかなったものの、ホール入口の階段は長く、杖をついた高齢者も多く来ていたから、会場で着席に苦戦している人ばかりを見てしまった。
ブログ用に会場の看板を撮影するつもりだったけど、撮影禁止場所も多く、歩行介助に気をとられてしまい、撮影できなかった。なので、会場でもらったチラシを記事の写真に。
1部が歌や演劇で30分(きみまろではない方)。10分の休憩をはさんで、きみまろライブで60分という2部構成。
きみまろライブは、純粋に面白かった。過呼吸になるんじゃないかというマダムも結構いたし、隙間なく笑いが散りばめられていた。
中高年の女性をイジリ倒す芸が、本当にすごい。特に前列の人たちは、きみまろの恰好の餌食となっていた。もの忘れネタやデイサービス、グループホーム、高齢者の運転ミスのネタもあったのだけど、それもドカンドカン、ウケてた。
何のバックグラウンドもない人があの芸をやったら、ただ炎上するだけ。受け入れる土壌を作るまでのここまでの苦労は、きっと大変だったと思う。あんなふうにみんなで老いを笑い飛ばせたらいいのに。介護って言葉がつくと、急にマジメに考えちゃうんだろうな・・・きっと。
母はわたしの横で手を叩きながら笑い、時に涙するほど笑ってた。笑い過ぎて失禁しないか心配だったが、楽しそうで何よりだった。よしよし。
もの忘れのネタなんて、母自身のこと(母のほうが忘れるレベルははるか上)なんだけど、他人事のように笑っていて、その様子も面白かった。
会場出口で、母をタクシーに乗せていたら、列のすぐ後ろのマダム2人が「お母さん?偉いですね」と言って褒めてくれたので、思わず苦笑い。親孝行のつもりでやってないので、褒められるのが苦手。
家までの車中、母はライブの話をしていたので、これは北海道旅行くらい印象が強く、記憶に留まるパターンかなと思った。泣きながら笑ってたし。
家に着くと、母は「あぁ~、疲れた」と言った。
ところが、なぜ自分が疲れているのか分からない様子。
「きみまろライブ、面白かったでしょ?」
とわたしが言うと、「あら、そうだったかしら?」と母。
NHKの2日間密着取材も覚えていないから、きみまろライブもすぐ忘れると思っていた。でも、すごく笑っていたから、ひょっとして?と思ったが、そんなに認知症は甘くはない。
まあまあ強めの刺激を、母の脳にガツンとお見舞いしたつもりだったけど、それも記憶に残らないんだなと、再確認した母の日だった。そうだとしても、今後もこういったイベントには連れ出すつもり。
秋は、富士山(登山はしない)を見にいくつもり。昨年、新幹線チケットを2回おさえたものの、悪天候でどちらもキャンセルになったので。
数週間後、ふとした瞬間にきみまろライブの話をしてくれるといいんだけど・・・さて。
みなさんの母の日は、いかがでしたか?
今日もしれっと、しれっと。
コメントを残す