認知症介護している人なら、「オレンジプラン」 という言葉は耳にしたことがあると思います。
オレンジプランとは?
厚生労働省が作った平成25年度から29年まで実施される、認知症施策推進5か年計画のことです。7つの柱がありまして、
1.標準的な 「認知症ケアパス」 の作成・普及
2.早期診断・早期対応
3.地域での生活を支える医療サービスの構築
4.地域での生活を支える介護サービスの構築
5.地域での日常生活・家族の支援の強化
6.若年性認知症施策の強化
7.医療・介護サービスを担う人材の育成
出たっ!オレンジプランのいきなり1番最初に出てくるんですよ、「認知症ケアパス」 というコトバが。オレンジプランは知っていても、この言葉は知らないですよね・・・
ちなみにわたしもオレンジプランを実行しているうちの1人でして、5番の?「地域での日常生活・家族の支援の強化」 を ”知らずして” やってました。
これは「認知症サポーター」になるともらえる、オレンジリングです。平成24年末350万人見込を、5年後には600万人に増やす目標が立てられています。長谷川式認知症スケールの開発者長谷川和夫先生の講演を聞きに行ったら、認知症サポーターになってました。
認知症カフェは、本当に地域での日常生活・家族の支援の強化になっていていいのですが、わたしのようなサポーターは ”地域” のお役には立ててません、母のためだけです。が、こういう立場になって、認知症の方の見方はすごく変わりました。
小売大手のイオンさんが、認知症サポーターをどんどん増やしてますよね?イオンさんは地域社会に貢献してるんで、従業員がサポーターになるのは意味があります。認知症と無縁の人を、いかにとりこむかが課題ですよね。わたしだってこうならなかったら、興味を持たなかったはずです。
で、話を 「認知症ケアパス」 に戻します。
認知症ケアパスとは?
厚生労働省のホームページには、「認知症ケアパス作成のための手引き」 というのがあって、ここにはこのように書いています。
【今後目指すべき基本目標-「ケアの流れ」を変える-】
?このプロジェクトは、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」?という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指している。(以下略)
なるほど・・・あのオレンジリングは、地域で暮らせる社会づくりの一環なんだなと。具体的には、
【具体的な対応方策】
標準的な認知症ケアパスとは、認知症の人が認知症を発症したときから、生活機能障害が進行していく中で、その進行状況にあわせていつ、どこで、どのような医療・介護サービスを受ければよいのかをあらかじめ標準的に決めておくものである。
なるほど、そういうものなんだぁ~ これは市町村単位で作っているもので、現在作成中です。大分県中津市は既に完成していて、下記図が中津市の認知症ケアパスの一部です。
横軸が認知症の重さ、縦軸が支援の内容で箱の中にはどこの施設やセンターに行ったらいいって書いてます。こういうのが各市町村ごとにできてくるんですが、これ実際に見ると、中度も重度も同じような箇所が埋まってたりします。
認知症の疑いがある人は予防教室に通いましょう!軽度の人はデイサービスを利用しましょう!中度の方は訪問看護もありますよ!家族の会もあるよ!
うーん・・・認知症ケアパス、至って普通!!
このマトリックスを見て思ったのは、症状によって頼る施設やサービスが変わるってことです。うちの母を看ていて思うのは、やっぱり慣れ親しんだ人に長くみてもらいたいということです。人が変わると、名前と顔を覚えるのに半年くらいかかるし、混乱します。
受け入れる側も初期の状態を知っていれば、全く違うはずですよね?ユマニチュードも人間の尊厳を基軸にといいますが、うちの祖母のようにいきなり便を壁につけられたら、尊厳どころか驚きしかありません。継続して看るって、意外と大切な気がします。
「認知症ケアパスが、役所にいけばあるよ!」 って、来年は普通に言ってるのかな~
コメントを残す