極寒岩手でコロナ禍の遠距離介護が始まって起こった3つのこと

昨年10月・11月の遠距離介護の時点で、1月の病院予約、通院用のレンタカー予約、健康観察のためのビジネスホテルの予約を済ませてありました。

しかしコロナ感染者数が爆増した結果、ホテルのGoto割引が通常料金になりました。そして、岩手のホテルで健康観察中に、1都3県の緊急事態宣言の再発令。

昨年6月末に、感染者ゼロの岩手に東京から乗り込んだ介護帰省に近い緊張感になるとは、10月の時点では思ってもいませんでした。遠距離介護生活を始めて起こった、3つのことをご紹介します。

極寒過ぎて起きた認知症の母の変化

8年の遠距離介護生活で、今冬が最も寒いです。最近の岩手・盛岡のお正月は雪がなく、暖冬が日常みたいになっていたので、あまりの寒さに驚いています。

「今年も雪が少なかった」と年中言い続ける認知症の母も、さすがに寒すぎて行動に変化が現れました。寝室ではなく、居間のコタツで寝るようになったのです。

寝室が寒すぎる、電気毛布のコードを自分で片づけて場所が分からなくなる、寝る前に電気毛布のスイッチを入れ忘れるなどの理由で、コタツで寝るのです。

コタツでは疲れが取れないので、これからしばらくはわたしが毎晩、電気毛布をセットします。そして、寝室に誘導します。ニトリの暖かいふとんNウォームを独居では使ってもらえませんが、わたしが掛け直して、寝てもらいます。

ニトリのふとん

感染拡大地域の人という扱い再び

岩手県のホームページに、介護は不要不急の外出には当たらないと書いてあります。しかし、そういうのは関係なく、東京から来た人を警戒したくなる気持ちはよく分かります。

これで3回目のコロナ禍の遠距離介護になりますが、1都3県の感染者数が最も多い状況なので、今回も肩身が狭く、居心地が悪いです。

実家について早々、感染拡大地域の人と接触があった場合、介護保険サービスの利用を中止するとの連絡がありました。

1月3日の抗体検査で感染履歴はなく、念のため8泊9日のビジネスホテルの健康観察も無事終えた話はもちろんするのですが、病院や事業所の方針で特例はないので、ダメなものはダメなんですよね。

今回は介護保険サービスの利用を諦めたとしても、寒さの心配のほうが強いので、従う方向でいました。そしたら「緊急事態宣言後に」感染拡大地域に行った、あるいは接触した人は介護保険サービス2週間停止という措置でした。わたしは宣言が出る前から盛岡に居たので、ギリギリセーフ。

改めて全事業所にケアマネから確認を取ってもらったところ、母が利用している介護保険サービスはすべて通常どおり。これまでのコロナ対策&2回の遠距離介護の実績を認めて頂きました。

ここだけの話、介護者の中にはコロナ対策をあまりせずに、しれっと帰省するケースもあるそうです。「徹底したコロナ対策、ありがとうございます」と言われ、最初は「当たり前じゃないの?」と思ったのですが、どうやらこういう事情で厳しくせざるを得ないようです。

そして、岩手のニュースを見ていて思うのは、感染拡大地域という言葉の優しさです。東京、神奈川といった地名を出さない配慮が感じられるのですが、往来しただけで感染しちゃう雰囲気が出てます。往来中や現地での行動次第だと思うのですが、厳しいですね。

遠距離介護の予定が狂う

ものわすれ外来の日程変更を依頼され、OKしたところ歯医者とWブッキングになったので、歯医者を見送ります。緑内障の眼科に連れて行ったら、その後は雪かきや買い物、母に加湿された暖かい部屋で過ごしてもらう、これをしっかりやり切って、極寒の冬を乗り切ることに注力します。

毎朝、母の体調に変化はないか心配しながら、自分の体温を計測して、常に緊張感があります。コロナも大変ですが、築50年以上経つ実家の恐ろしい寒さで風邪をひかないかも心配なので、やっぱり来てよかったです。極寒でも換気しつつ、除菌もしまくって、母が使えない加湿器もフル稼働中です。

今回も、岩手で東京の保険証を出しづらいので、風邪をひかないよう全身ヒートテックで過ごす毎日です。ヒートテック最高峰「超極暖」と「極暖」を、あまりオススメはされていない睡眠時にも使ってます。

感染者ゼロの岩手に乗り込んだときよりラクだと思ってましたが、今回も違った苦労がありました。音声配信が楽しいので、母がデイに行ったときを狙って収録しております。

最新のVoicyは、母ひろこ(仮名)が認知症になった日のことを音声で振り返りました↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

おはようございます。
今年の冬は本当に寒いですね。

Voicyのお医者さんのお話が良かったです。患者さんも介護者も救われますね。

父が認知症と診断された時、一人暮らしは無理だと思っていましたが、偶然主人が、くどひろさんの連載を見つけてくれました。
そんな訳で私も遠距離介護しています。ありがとうございます。

いつもコメント欄にお邪魔してスミマセン。

sakoさま

寒いです、本当に寒いです。
ご主人がわたしの連載を!ありがとうございます。そしてvoicyも引き続き、うれしいです。

そうなんですよね、遠距離介護をやろうとするとムリ or 施設 or 同居 と言われることもありますが、できないこともないんです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか