認知症の母と2か月ぶりに会い、1日で好不調の波が激しかった話

今年から始めた音声配信voicyの再生回数が、1200回を突破しました!

正直、もっともっともっと苦戦すると思ってました。過去配信分まで聴いてくださるリスナーの皆さま、ありがとうございます。このブログとは違う音声ならではの雰囲気、感じて頂けましたでしょうか?

リスナーのマルコさんのお母さん(80歳)が、ラジオを聴きながらメモを取ってくださっていると!文字より音声のほうがいい方もいることが分かり、目からウロコでした。

あんた、今日何時に帰ってきたの?
くどひろ
あさ
じゃあ、すれ違いだったのね

2か月ぶりに岩手に帰省し、認知症の母がデイサービスから帰ってきた直後のわたしとの会話です。母がデイサービスに行った直後を狙って帰宅しているので、確かに朝はすれ違ってます。

この会話のラリーを、30分で8回ほど繰り返したところで、コロナの影響で独居の時間が長くなり、また認知症が進行したな!と痛感しました。でも、コロナ前からこんな感じだったかも?

それから数日、母と生活していますが、2か月前と症状に変化がないと言えばないし、あると言えばあります。

例えば、アナログ時計が7時40分を指していて、何時か質問したら分かりませんでした。読める日もありますが、前に比べてかなり怪しいです。だから、変な時間にデイサービスの準備をしてしまうことに、今さらながら気づきました。

アナログ壁掛け時計が故障し、買い替えたばかりでしたが、時間がズバリ表示されるデジタル時計に変えるかもしれません。今回の帰省の1番の目的は、実家の大工事のためでした。

実家の大工事とは?

新型コロナウイルスの影響が日に日に大きくなっているので、再び長期で遠距離介護ができなくなる日がくる可能性もあります。

そこで今回の帰省で、アンペア容量を増やす電気工事、エアコン2台の設置、母がコンセントを抜かないよう、見えない場所にコンセントを増設するなど、大規模な工事を予定しておりました。

これは岩手あるあるなのですが、2つの電機会社に「メール」で工事見積依頼をしました。そしたら2社とも返信がありません。岩手は電話で依頼する方がほとんどなのか、連絡が来ないのです。1社は1か月も経って返信がありましたが、以前も同じ経験をしました。

電気工事&エアコン工事を依頼すると、知らない人がたくさん自宅に入ります。このご時勢、高齢の母が居る実家にできるだけ知らない人は入れたくないことも重なって、自然と延期になりました。

ただ、1か月半の長期滞在中、他の方法で見守り強化をやります。個人的には仕事と絡んでラッキーな展開になったので、楽しみです。このブログで、ご報告しますね。

8回の会話のラリー後の夕食

デイの日は、母は疲れているので、わたしが夕食を作ることが多いです。

その中でヘビーローテーション中なのが、丸美屋のマーボー丼です。麻婆豆腐の素を使って、誰でもできるアレで、多少ひき肉やネギなどを追加します。

母のお腹は繊細で、コンビニのおにぎりやお弁当を食べると、お腹を壊してしまうのです。いろいろ探ってみた結果、丸美屋は大丈夫だったので、多用するようになりました。定番のマーボー丼を出すと、母の反応がいつもと違いました。

定番のマーボー丼
あら、今日はあんたの十八番料理じゃないの?
くどひろ
えっ? 今、なんて? 十八番? よく、分かったねーーーー!
そりゃあ、分かるわよ
分かった風を装うところが面白いのですが、母が初めて「十八番」料理と言ったことに驚きながらも、素直に喜んでしまいました。30分で同じ話を8回繰り返す母が、マーボー丼を十八番と言ってのける、認知症介護の不思議な世界。

認知症の症状は波のようなので、いい時も悪い時もあるんですよね。2、3年、同じマーボー丼を出し続け、それが認知症の進行した母の記憶に格納されていたなんて、うれしいじゃないですか?

夕食後、2階の自分の部屋でブログを30分ほど書いて、1階の居間に戻ったら母が、

あら、ごめん。ごはん、先に食べちゃったわよ。
くどひろ
いやいや、さっきマーボー丼、一緒に食べたでしょ?
あら、そうだったかしら?
調子いいんだか、悪いんだか、さっぱり分かりません!

音声配信Voicyの最新回は、介護相談で3本の指に入るほど多いあの悩みの話とリスナーさんから頂いたコメントへの回答です↓voicyアプリで聴くと、便利ですよ!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

6件のコメント

おはようございます。

麻婆丼のお話し私も嬉しくなりました

今日のVoicyは、心に染みました。自分が病気で通院しながら、父にも関わっているからです。自分の健康も大切にしながらやっていこうと思いました。

くどひろさんは、介護の悩みに対する解答の仕方も介護者の方に寄り添っているように感じます。
以前、父の車の免許返納のことで認知症家族会の方に相談したことがあります。くどひろさんと同じように「もし良かったら」というようにお話しをしてくださったことが今でも心に残っています。免許は無事返納できました。
介護経験者のお話しは本当にありがたいです。

すみません。voicyのことでお尋ねしたいのです。クリックするとBGMが流れるだけなのです。どうしたら聴けるようになるでしょうか。

sakoさま

マーボー丼、ちょっとだけうれしい瞬間ありました。

voicyありがとうございます、心に沁みるというコメント頂けてうれしいです!
わたしは一介護者として発信しているので、見ているのは主に介護者です。もうちょっと先の放送(未収録ですが)で、家族としての立場の意味の放送をする予定です。

あきさま

voicy興味持って頂き、うれしいです!

冒頭3秒から4秒ほどBGMが流れ、その後わたしの声が入りますがそういうことでしょうか?
あるいはアプリを使ってお聴きでしたら、設定のところに声の音量とBGMの音量と曲の種類の設定があります。

お返事ありがとうございます。パソコンで聴こうとしているのですが、延々とBGMが流れ、そのまま終わっていきます。声が入りません。何か、設定できるのでしょうか。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか