極寒の岩手で冷房?認知症の人のエアコン誤操作問題の対処法

日中の最高気温が0度を超えない日が多い、今冬の岩手県盛岡市。

とにかく毎日寒いのですが、あろうことか居間に設置してあるエアコンが「冷房」や「除湿」になっていることがあるのです。

理由は、認知症の母のリモコン誤操作。最近は、エアコンとテレビのリモコンの区別がつかない日もあり、エアコンのリモコンをテレビに向かってポチポチと押します。その際に、せっかく暖房がついていたのに、冷房や除湿に切り替わるのです。

その逆で、テレビのリモコンをエアコンに向けてポチポチやると、チャンネルが次々切り替わることもありますが、こちらは認知症の母でも異変に気づきます。

エアコンのリモコンに「エアコン」と書いているわが家

極寒の岩手でエアコンの暖房が「冷房」に切り替わると、どうなるか分かりますか? 

エアコンが無になるのです、シーンって。なので、しばらく誤操作に気づきません。部屋が温まって、一時的に暖房が止まったと最初は思います。

気づくきっかけは、母が「なんか寒いんだけど」といい、わたしがエアコンのリモコンの表示「冷房26℃」の文字を見て、「ひえ~」という場合。あるいは、わたしが居間の温度を細かく見る習慣がついているので、なんか温度が上がらない、おかしい、エアコンのリモコンを見るといったステップです。

母と一緒に過ごしていれば、すぐ暖房に戻すだけでいいのですが、うちは遠距離介護。母ひとりのときに誤操作をして、真冬に冷房、真夏に暖房をつけられては、生命にも関わります。そこでこのような対処法を実践しています。

スマートリモコンは命を守るツール

このブログでも、自分の本でもご紹介しているスマートリモコン。

Nature Remo
わが家のスマートリモコンNature Remo

家中にある赤外線リモコン、例えばテレビ、エアコン、照明のリモコンをスマートリモコンに登録すると、外出先からスマホで遠隔操作が可能になります。また、トリガーといって、決まった日時、決まった温度などを設定しておくと、何もしなくてもスマートリモコンがエアコンを操作します。

Nature Remo

スマートリモコンの機能を使って、定時に暖房を入れるように設定しました。

  1. 朝4時に暖房がつく → 盛岡の寒さ対策のために以前から使用
  2. 昼12時に暖房を入れ直す → 新たに追加
  3. 19時に暖房を入れ直す → 新たに追加

朝に居間を暖めたあと、母は朝食を食べ、皿を洗って居間のこたつに入ります。そこで仮に誤操作で冷房を入れてしまっても、毎日昼12時になればスマートリモコンから、暖房の赤外線がエアコンに自動で送られるため、冷房から暖房に切り替わるのです。

また、夜にも暖房を入れているのですが、こちらは誤操作対策と節約意識からエアコンをつけずにコタツに入っていることもあるので、19時に強制的にエアコンの暖房をONにしています。

スマートリモコンは、もはや介護のインフラだとは思っているのですが、まさか認知症介護のリモコン誤操作で、こんな使い方までできるとは思ってもいませんでした。

同じ状況で困っているご家庭はあまりないかもしれませんが、どんな小さなことでもブログに残しておくと、数年後に助かった!みたいなケースはよくあります。なので、ここに残しておきます。

わが家で使っているのはnature remo2ですが、nature remo3が出ていますので、こちらがオススメです。他社製品も使っておりますが、この商品が最も安定(切れることがない)しています。

音声配信voicyの最新回は、介護が始まるきっかけのお話です。認知症予防に対するわたしの考えもお話ししています↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

はじめまして。いつもブログ参考にさせて頂いています。
リモコン問題は我が家も全く同じです。なので、私もNature remnのminiを居間で使っています。日々トリガーも設定し、母の誤作動はだいぶ解消されましたが、最初はエアコンのコンセントをぬいてしまってたり、リモコンもかろうじて使えるので、トリガーが作動しても母が自分で操作して、帰宅すると冬でも冷房30℃設定になっていることも。冬はホットカーペットや着込んだりしてなんとかしのげますが、私は関西在住で、夏の蒸し暑い部屋で私が帰宅するまでエアコンなしで大汗かきながらうたた寝してた時は、焦りました。
スマートリモコンのことをこのブログで教わり取り入れて本当に良かったと思っています。ありがとうございます。

匿名さま

ブログ読んで頂き、ありがとうございます!!

スマートリモコン発信してよかったです。エアコンのコンセント抜くって、結構元気なお母さまなのでしょうか?もっと多くの方にスマートリモコンの便利さ、知って欲しいですよね。

1時間程前に大きな地震がありました。
そちらは大丈夫だったでしょうか?
停電などは起きていませんか?
寒い地域、ご無事なのか、どうなったのか、気になりコメントしました。
出来ましたら、その時のご様子などを、後でお報せいただけますでしょうか?
ぜひ、拝見(or拝聴)したいです。

あーみんさま

おはようございます、ご心配いただきありがとうございます!

わたしの実家は停電は起きていませんし、母もわたしも無事です。明日のブログで、その時の話を書きたいと思います。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか