認知症が重度まで進行してからの母は、細かいものに執着するようになりました。
たとえば置き型手すりの土台を覆うカーペットの糸くずを、30分以上なくなるまで取り続けるとか、足ふきマットのほつれが気になってはさみでどんどん切っていたら、マットが小さくなっていって、ハンドタオルくらいの大きさになったとかそんな感じです。
その日は、わたしが作った朝食を母が食べていたのですが、どうにも食事に集中してくれません。母の足元を見ると?
ズボンがほつれていた
母はズボンのほつれが気になったようで、ほつれた部分の糸を引っ張っていました。10cmくらいの糸が2本になったところでこれはまずいと思って、わたしがハサミでほつれた糸をカットして、朝食を食べ終わりました。
しばらくして昼になると、母はまたほつれた糸を引っ張り始めたので、わたしがハサミでカットしました。しかし昼食を食べ終わったあとも、再びほつれた糸を引っ張るので、
何が! これでいいの!
注意したとて、母はわたしの言うことなんて聞きません。いつまでも糸を引っ張り続けてしまい、ズボンの穴はどんどん大きくなっていきました。
他のズボンに履き替えてもらおうと思ったときには、もうズボンにしっかり穴が開いていましたし、わたしは裁縫が嫌いなので、割と新しいズボンだったのですが廃棄してしまいました。穴をふさいでも、その部分を気にするので。
ほつれた服の対策
糸がほつれたズボンはハサミで都度カットするか、前後どちらの向きでも履いてもいいズボンは、ほつれた糸をお尻のほうにするなどして対策してきましたが、遠距離介護なので完璧には対応できません。
ほつれが気になる母を止めることはできないし、母のお金でズボンを買っているのでこれでいいやと思うところもあるのですが、穴があくまで糸は引っ張って欲しくないですね。
今日もしれっと、しれっと。
ちょっと! そんなに糸引っ張ったら、ズボンに穴開くでしょ!