わたしが「認知症の人と家族の会」に入会しないワケ

認知症 家族の会

「公益社団法人認知症の人と家族の会」

1980年発足で各都道府県に支部があり、全国で1万1000人が入会する日本最大の認知症の団体です。尊敬する杉山孝博先生の認知症コラムも家族の会のサイトで読むことができるので、めちゃめちゃお世話になってます。

でも・・・・入会はしてないんです、なぜか?

HEISEI KAIGO LEADERSの入会要件に答えがある

厚生労働省の今後の高齢化人口の見通しによると、10年後の2025年は、埼玉・千葉・神奈川・大阪・愛知などの都市部では75歳以上の人口が今の2倍になっています。その頃わたしも52歳。やっと、周りの友達と介護について語り合える年齢になります。

HEISEI KAIGO LEADERS という団体は、文字通り平成生まれの若い人しか入会できない介護の志が高いメンバーで構成されています。2025年には30代になり、介護を支えるメイン世代になっています。代表の秋本可愛さんはインタビューで、こう回答しています。

―参加者は、やっぱり、平成生まれ限定?

「20代までは参加可能ですが、30代以上の方は敢えてお断りしています。 私自身今があるのは、たくさんの先輩方に色々と教えてもらっているからなのですが、上の年代の方の影響力ってやっぱり大きいし、知識量も経験量も叶わないので、イベントでは「教える・教えられる」の関係を作らないような環境作りを心掛けています。教えられたことを教えられたままに自分の言葉にしてしまうことで、その人の可能性が一気に狭くなってしまう気がするんです。未成熟な業界だからこそ、何も知らないことによる新しい発想に可能性があるのではないかとも思うし。教えてもらったことが正しいことだとしても、それを自分で確かめて初めてリアルなものとして生きてくるわけで。 なので、ここでは同年代の方のみのフラットな場にしています。」

この回答に共感する人って、どれくらいいるんだろ? と思いながら書いてますが、わたしはものすごく共感してしまったんですよ。

例えば我が家のIHクッキングヒーターの件です。認知症で100%ガスコンロはダメと言われ続けたのですが、わたしが選択したのはガスコンロでした。IHを使いこなせず料理をしなくなることで、認知症が進行してしまうのが怖かったからです。

IHとアドバイスされればその影響力は大きいのですが、自分で確かめる事はやはり大切です。家族の会に入会して安住の地を見つけてしまうと、わたし自身も小さくまとまってしまって新しい発想が生まれないんじゃないかと。

40代、50代の方も多く入会されていると思うのですが、わたしがたまたまお会いした方が母(71歳)と同年代が多くて、世代ギャップも大きいかなというのもあって、敢えて入会していません。

ブログで生活してます!って言ったら、そんな暇あったら早くちゃんとした仕事見つけなさい!って怒られそう・・・(勝手なイメージ)

恵まれた介護体制

我が家はいろんな人(ケアマネ、サ責、デイ所長、かかりつけ医、看護師、作業療法士、ヘルパーetc)に相談できるという、とても恵まれた環境です。またブログをやっていることでいろんな方とつながっている感覚が強く、コメントやメッセージに助けられています。

そんな事もあって、当面は家族の会には入会しなくてもなんとかなりそうなんですけど、単発のイベントなどには非会員として参加することもあるかもしれません。

あ、年会費5000円をケチってるわけではないですよ。わたしのように遠距離介護だと、入会しても参加できる機会がほとんどないってのもあります。タイミングがホント合わないんですよね・・・

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか