11/17新刊発売、12/13出版イベント開催!

認知症介護で地味なホワイトボードの効果を改めて実感した話

このブログや過去に書いた書籍では、認知症介護にホワイトボードを使って介護がラクになった話を何度も書いてきました。

同じ質問を何度も繰り返す母に対して、ホワイトボードにその答えを記入。そうすると母はそれを見て自己解決してくれて、質問の回数が減ったり、あるいは介護者であるわたしがホワイトボードの指差しをして、口頭で回答せずに済むので疲れないなどです。

特に認知症軽度の頃は大活躍で、わが家でホワイトボードを何回買い替えたか分からないほど、使い倒してきました。しかし認知症介護も13年目に突入し、母は重度の認知症に。ホワイトボードの使用頻度は減っているのですが、それでも現役で活躍しています。

ホワイトボードの書き方の工夫

使用頻度が減った理由は、母が文字を読めなくなっているからです。特に漢字が読めないので、ひらがなで書いたり、ルビを振ったりするなどの工夫をして、読めるようにしています。

ただ漢字をひらがなにし過ぎると、今度は読みづらくなってしまい、ひとつひとつの文字は読めても、意味が分からなくなる問題があります。またルビは字が小さくなるので、母には見えないなど、重度ならではの難しさがあるのです。

また言葉の意味が理解できない場面も増えていたので、ホワイトボードは以前よりも使用頻度は減りつつあります。とはいえ、同じ質問の繰り返しは相変わらずなので、

「今日は出かけるの?学校さ、行くの?」

デイサービス=学校というようになった母ですが、ホワイトボードに「でかけません」とひらがなで書くようにしました。

以前だったらお昼を過ぎれば、質問攻めは終了していました。だからホワイトボードを撤収していたのですが、今は時間の感覚が薄れているので15時過ぎても質問が続きます。先日は、夜になるまでずっと置いておきました。

そうすると質問の回数はそれなりに減って、改めてまだまだホワイトボードは必要だなと実感しました。

わが家は冷蔵庫のホワイトボードはマグネットが欲しいのでアスカを何年も買っていて、居間では100均のホワイトボードを使っています。

今日もしれっと、しれっと。

2025.12.13(土) 出版記念イベント開催!

11/17(月)『工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント』(翔泳社)の発売を記念して、12/13(土)朝10時から、東京・品川にあるフラヌール書店(不動前駅)とオンラインのハイブリットで出版記念イベントを行います。ブログや音声配信では絶対に話せないリアルな介護の話を、たくさんします。オンライン参加は顔出し不要、匿名参加OKです。気軽にご参加ください!

介護の本屋「はるから書店」

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【2025/11/17発売の最新刊】
「工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント」(翔泳社)
遠距離介護歴13年以上で、2013年から遠距離介護ブログを運営してきたわたしが、これまでの情報を基に、遠距離介護の定番となる本を目指して書きました!遠距離介護が始まるかもしれないと不安に感じている人や現在遠距離介護中の方に向けた実用書です。

 

2件のコメント

うちはホワイトボードが全く生かせず…

先日、突然の外出→行方不明→熱中症で搬送
となりました…その後、後遺症もなく回復。
まだ身の回りのことは出来るのですが、これを機に施設に移動することとしました…
玄関に鍵、GPS所持、見守りカメラ、ヘルパーさん依頼…なども考えましたが、周りに人がいる方が楽しめているようなので…苦渋の決断です。

aoiさま

全く同じケースを最近ある連載で取り上げ、まさに書いてある対策を実施しています。
ご本人や家族の意思、経済状況など、施設の判断はそれぞれですが、周りに人がいるほうが楽しめるというのはちょっとだけ救いになりますよね。でも苦渋の決断……。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて14年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント(翔泳社)、老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

【音声配信Voicyパーソナリティ】
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