(改めて)認知症テストを受けるための家族の3つの心得

毎年12月に、母には認知症のテスト(長谷川式認知症スケール)を受けてもらっています。

今週、ほぼ月1回のものわすれ外来を受診するので、いつも通りの問診、お薬をもらうのに加えて、今回は長谷川式認知症スケールを受けてもらいます。

認知症テストを受けるための家族の3つの心得

今年後半の認知症介護の講演会では、祖母と母の認知症テストのお話を何度かしました。

今から4年前。長谷川式認知症スケールを開発し、ご自身が今認知症になられていて、先日もNHKニュースに出演されていた長谷川和夫先生の講演を聴きに行ったときに教えてもらった3つの心得をご紹介します。ブログの過去記事にも何回かありますが、最近ブログを読み始めた方も多いと思うので、改めてご紹介します。

その心得のまえに、長谷川先生がお話しされてたことで一番印象深かったのが「認知症のテストは、認知症ご本人のためにはならない」、「このテストがすべてではない」と言ってたことです。

わたしもこの話を聞いてから納得したのですが、それまでのわたしは母に認知症テストを受けさせては、点数が上がった下がった、認知症が進んだ、よくなったと一喜一憂していたものです。3つの心得というのは、

  1. 認知症の人に「テストを受けてもらう」というお願いする姿勢
  2. 利用者の答え方に注意する
  3. 1年に1回が原則

長谷川先生のこの話を聞いてから、テストの点数自体よりも、母の答え方に注目するようになりました。

ちなみにわたしの場合ですが、母のテストに同席はしません。でも、限りなく近いところで、気配を消しながら母の答え方はずっと聞いています。あとでテスト結果を見せてもらって、それを写真に撮って、昨年の結果と比較して、どこができてどこができなくなったかについて確認します。

母はものわすれ外来に行くのに、唯一警戒していることが、この認知症テストがあるかないかです。

今、何月なの?
今日って、何曜日だったっけ

普段はこんな質問はしないのに、病院に行くまでの車の中でこんな質問をしてきます。この質問に答えたところで、母は忘れてしまうのですが、なんとなく答えを言って、テストの時にかぎって急に思い出したりすると困るので、テスト前だけは母には悪いけど、

くどひろ
今日はテストないから、大丈夫

とかいう回答で、ごまかしております。

去年の母の点数は30点満点で17点でした。過去8回のテストの中では、最も悪い点数です。今回も同じくらいの点数が取れるだろうか・・・わたしの体感では、15点前後で着地するのではと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか